【ランキング】「中国中心都市&都市圏発展指数2018」が発表

雲河都市研究院

中国中心都市&都市圏発展指数2018 総合ランキング

 シンクタンクの雲河都市研究院が作成した中国中心都市&都市圏発展指数2018がこのほど、北京市で発表された。総合ランキングのトップ3は北京、上海、深圳、第4位から第10位は順に広州、天津、成都、杭州、重慶、南京、武漢となった。

  同指数の大きな特徴は、中国の4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市の計36都市を「中心都市」として、全国298の地級市以上の都市間で評価した点にある。同指標の分析によると、これら36の「中心都市」は全国GDP規模の39.7%、貨物輸出・輸入の55.2%、特許取得数の48.7%を占め、全国の常住人口の25%、DID人口の41.4%、メインボード上場企業の71.6%、全国の981&211高等教育機関=トップ大学の94.8%、5つ星ホテルの58.1%、三甲病院(最高等級病院)の54.1%を有している。


 中国中心都市&都市圏発展指数2018は都市地位、都市圏実力、輻射能力、広域中枢機能、開放交流、ビジネス環境、イノベーション・起業、生態環境、生活品質、文化教育の10大項目と30の小項目からなり、包括的かつ詳細に、中心都市の都市圏発展を指数で診断し、中国中心都市の高品質発展を促す総合評価である。

中国中心都市&都市圏発展指数構造図

都市地位大項目 


 都市地位大項目ランキングのトップ3は、北京、上海、広州。第4位から第10位は順に天津、重慶、南京、杭州、成都、深圳、武漢。 都市地位大項目は行政機能、メガロポリス、“一帯一路”の3つの小項目指標を設置。行政機能の小項目においては、首都、直轄市、省都の行政機能が高得点となった。長江デルタ、珠江デルタ、京津冀(北京・天津・河北)の3大メガロポリスの都市は、大項目指標において点数が高い。“一帯一路”の小項目では、貿易投資および海外との往来が良好な都市が、上位を占めた。

都市地位ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

都市圏実力大項目 


 都市圏実力大項目ランキンングトップ3は北京、上海、深圳。第4位から第10位は順に広州、天津、重慶、杭州、武漢、成都、南京。都市圏実力大項目は経済規模、都市圏品質、企業集積の3つの小項目指標を設置。面積も人口も規模も特大な4大直轄市が、経済規模のトップ4を占めた。北京、上海、深圳は企業集積小項目で圧倒的優位に立ち、順にトップ3を飾った。上海、深圳、北京は都市圏品質小項目でもトップ3となった。

都市圏実力ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

輻射能力大項目


 輻射能力大項目ランキングトップ3は北京、上海、深圳。第4位から第10位は順に成都、広州、杭州、南京、西安、武漢、天津。

 輻射能力大項目は製造業・IT産業輻射力、金融・科学技術・高等教育輻射力、生活文化サービス輻射力の3つの小項目の指標を設置。北京は3つの小項目の第1位をすべて独占した。上海は金融・科学技術・高等教育輻射力と生活文化サービス輻射力の2つの小項目で第2位、深圳は製造業・IT産業輻射力で第2位だった。広州と成都はそれぞれ金融・科学技術・高等教育輻射力と生活文化サービス輻射力で第3位につけた。

 
輻射能力ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

広域中枢機能大項目 


 広域中枢機能大項目ランキングトップ3は上海、広州、深圳。北京は第4位につけ、第5位から第10位は順に天津、寧波、青島、武漢、廈門、成都。広域中枢機能大項目は水路輸送、航空輸送、陸路輸送の3つの小項目指標を設置。上海、深圳、寧波、広州をはじめとする臨海都市が水路輸送の上位を占めた。上海、北京、広州の3都市は航空輸送でトップ3となった。陸路輸送トップ3は広州、武漢、北京。

 
広域中枢機能概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

開放交流大項目


 開放交流大項目ランキングトップ10は上海、北京、深圳、天津、広州、重慶、杭州、成都、青島、寧波。  開放交流大項目は国際貿易、国際投資、交流業績の3つの小項目指標を設置。国際貿易トップ3は上海、深圳、北京。国際投資トップ3は天津、上海、北京。交流業績トップ3は上海、北京、広州だった。

開放交流ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

ビジネス環境大項目 


 ビジネス環境大項目ランキングトップ3は上海、北京、広州。第4位から第10位は順に深圳、成都、天津、南京、廈門、重慶、武漢。  ビジネス環境大項目は園区支援、ビジネス支援、都市交通の3つの小項目指標を設置。園区支援トップ3は上海、深圳、廈門。ビジネス支援トップ3は北京、上海、広州。都市交通トップ3は上海、北京、広州だった。

ビジネス環境ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

イノベーション・起業大項目


 イノベーション・起業大項目トップ3は北京、深圳、上海。第4位から第10位は順に広州、杭州、天津、南京、成都、武漢、重慶。イノベーション・起業大項目は研究集積、イノベーション・起業活力、政策支援の3つの小項目指標を設置。研究集積トップ3は北京、上海、深圳。イノベーション・起業活力トップ3は深圳、北京、上海。政策支援トップ3は北京、上海、重慶で、直轄市が政策支援で高評価を得た。

イノベーション・起業ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

生態環境大項目


 生態環境大項目トップ3は上海、北京、深圳。第4位から第10位は順に広州、天津、重慶、廈門、杭州、成都、武漢。  生態環境大項目は資源環境品質、環境努力、資源効率の3つの小項目指標を設置。環境努力トップ3は北京、上海、重慶。資源効率トップ3は上海、深圳、北京で、同3都市はDID人口の規模が大きく密度が高いだけでなく、企業の本社も集積している。しかし、資源環境品質では中国中心都市&都市圏発展指数の対象36都市からは海口と廈門だけが全国トップ20に入り各々第13位と第19位であった。その他の都市は及ばなかった。

生態環境ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

生活品質大項目


 市民と密接に関わる生活品質大項目ランキングは、北京、上海、広州がトップ3、深圳は意外にも第10位へと順位を落とした。第4位から第9位は順に天津、杭州、成都、南京、重慶、武漢。深圳が第10位まで順位を下げたのは、主に医療福祉、住みやすさの2つの小項目が足を引っ張ったためである。住みやすさ小項目のトップ3は上海、蘇州、成都。生活消費水準小項目トップ3は北京、上海、広州。医療福祉小項目トップ3も北京、上海、広州であった。

生活品質ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

文化教育大項目 


 文化教育大項目ランキングでも深圳はいまひとつ振るわず、トップ10から外れた。トップ3は北京、上海、広州。第4位から第10位は順に南京、武漢、成都、天津、西安、重慶、杭州。文化教育大項目は文化娯楽、人材育成、文化パフォーマンスの3つの小項目指標を設置。中でも深圳は人材育成で全国第11位につけたが、文化パフォーマンスでは第73位と落ち込んだ。

文化教育ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

 中国中心都市&都市圏発展指数は、その分析により中心都市の発展状況を各方面から観測・判断し、中心都市の都市圏発展に有益な方向性を提示する。同指数の開発を指揮した東京経済大学の周牧之教授は記者に対し、「全国298の地級市以上の都市の分析研究は、中国の高度な都市機能が中心都市に集中し、かつ高機能であるほど集約度が高いことを示した。中心都市をコアとする都市圏の育成と発展こそが、国際競争での中国の都市の勝敗を決める」と話している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年8月20日


中国中心都市&都市圏発展指数2020


〈中国中心都市&都市圏発展指数2020〉英語版 2022年1月28日付チャイナネットで発表

 雲河都市研究院が〈中国中心都市&都市圏発展指数2020〉を発表した。北京と上海は4年連続で1位と2位、深圳と広州は3年連続で3位と4位にランクインした。成都は、2017年に同指数が初めて公表されてから順位を3つ上げ、5位となる好調ぶりであった。

 天津は、2019年度から順位を1位落とし6位に。杭州、重慶、南京は7位、8位、9位と、いずれも2019年度の順位を維持した。

 西安は11位で、2019年度から2ランクアップした。逆に、武漢は新型コロナパンデミックで大打撃を受け、2019年度の11位から13位に転落した。寧波は12位を維持した。

 また、36中心都市のうち、さらに鄭州、長沙、済南、合肥、福州、ハルビン、南昌、南寧、海口、フフホト、ラサは総合ランキングを上げた。なかでも合肥は前年度の23位から19位へと躍進した。青島、昆明、長春は2019年度の順位を維持した。

 天津、武漢以外にも廈門、瀋陽、大連、貴陽、石家庄、太原、ウルムチ、蘭州、西寧、銀川が総合ランキングを下げた。中でも大連は、2019年度の18位から23位と大きく順位を落とした。総合ランキングの変化から見ると、北方地域の中心都市の順位は低下傾向にある。

図 〈中国中心都市&都市圏発展指数2020〉総合ランキング

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉(以下、〈指数〉と略称)は、〈中国都市総合発展指標〉を構成する882の基礎データの中から、中心都市都市圏の評価との関連性が高い442の基礎データを精選し、組み立てたものである。〈指数〉は、統計データ、衛星リモートセンシングデータ、インターネットビッグデータで構成され、異分野のデータリソースを活用した、五感で都市を感知するマルチモーダルインデックス(Multimodal Index)である。

 例えば、〈指数〉は、衛星リモートセンシングデータを用いてDID(Densely Inhabited District:人口集中地区)を分析し、都市圏の人口規模、分布そして密度を正確に把握し、さらに、人口動態と経済発展、インフラ整備、社会ガバナンス、生態環境マネジメントとの関係を多面的に分析できるようにした。これにより都市圏研究のレベルを一挙に引き上げた。その意味では〈指数〉は、まさしく斬新なスーパーインデックスである。

 各都市における二酸化炭素排出量に関する分析も〈指数〉の一大ポイントである。雲河都市研究院は、長年の研究により、衛星解析データのGIS(地理情報システム)化で、各都市の二酸化炭素排出量の算出を可能とし、都市評価システムの精度を大幅に向上させた。

 〈指数〉の大きな特徴は、中国の4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市の計36都市を「中心都市」とし、全国297の地級市以上の都市の中で評価した点にある。

特筆すべきは、2020年の総合ランキング上位30都市に、蘇州(10位)、東莞(20位)、無錫(25位)、仏山(27位)の4つの非中心都市が含まれていることである。

 〈指数〉によると2020年は、36の中心都市が中国GDPの39.2%、輸出の50.9%、特許の50.3%を生み出し、常住人口の26.6%、DID人口の42%、メインボード上場企業の67.3%、981&211大学(トップ大学)の94.8%、5つ星ホテルの57.5%、三甲病院(最高等級病院)の47.5%を有していた。中心都市が中国の社会経済発展をリードしている様相が明らかである。

 〈指数〉は、「都市地位」、「都市圏実力」、「輻射能力」、「広域中枢機能」、「開放交流」、「ビジネス環境」、「イノベーション・起業」、「生態環境」、「生活品質・安全」、「文化教育」の10大項目と30の小項目、116の指標データから構成され、中心都市の都市圏発展を体系的に評価する。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数2020〉最大の特徴は、新型コロナ感染症対策と経済回復のパフォーマンスに評価の重点を置いている点にある。

図 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉構造図

1.「生活品質・安全」大項目:新型コロナパンデミックで武漢が打撃を受けたものの、ゼロ・コロナ政策が奏功


 2020年は新型コロナパンデミックにより都市の生活品質と安全性が問われた年であった。同年中国におけるコロナ新規感染者(海外輸入感染症例と無症状例を除く)の62.8%が武漢に集中した。中国は、迅速なロックダウン(都市封鎖)措置とゼロ・COVID-19感染者政策(Zero COVID-19 Case Policy、以下ゼロ・コロナ政策と略称)で流行を早期に収束させた。結果、湖北省以外の都市では、局地的に感染者が時折出るものの感染爆発はなく、中国都市の生産や生活は早期に回復することができた。

 都市の安全性や住みやすさを評価する「生活品質・安全」大項目で、2020年の最重要関心事は新型コロナウイルスであった。同時に、同大項目は、都市の生活・消費水準や医療衛生・福祉水準にも着目している。「生活品質・安全」大項目は、「安全・住みやすさ」、「生活消費水準」、「医療福祉」の3小項目指標から成り、「新規感染者数」、「医師数」、「三甲病院」、「平均寿命」など16の指標データで構成される。

 「生活品質・安全」大項目のランキングでは、武漢は新型コロナパンデミックで大打撃を受け、2019年度の8位から最下位に転落した。北京、上海、重慶が同ランキングのトップ3となり、4位から10位の中心都市は順に(以下同)成都、杭州、広州、南京、鄭州、天津となっている。

 2019年度と比較すると、上位10都市では重慶、成都、鄭州が順位を上げ、重慶は初めてトップ3にランクインした。北京と上海は順位を維持し、武漢と深圳はトップ10から脱落した。

 36の中心都市で見ると、2019年度と比較して順位を上げた都市は、さらに西安、済南、瀋陽、合肥、青島、寧波、大連、ハルビン、長春、昆明、フフホトであった。

図 「生活品質・安全」大項目2020

2.「都市圏実力」大項目:北京、上海、深圳が上位3位に


 都市圏の実力は、中心都市を測る最も基本的な条件の一つである。「都市圏実力」大項目は、「経済規模」、「都市圏品質」、「企業集積」の3つの小項目を設置し、「GDP規模」、「常住人口」、「DID人口」、「メインボード(香港、上海、深圳)上場企業指数」など14の指標データで構成される。「都市圏実力」大項目は、都市の経済規模と人口規模だけではなく、人口集約度とその構造、さらには経済中枢機能を評価する。

 2020年は、新型コロナで大きな打撃を受けた武漢を除くすべての中心都市が経済成長を達成し、36中心都市のGDP成長率は平均で3%ポイントに達した。世界の主要国でマイナス経済成長が広がる中、中心都市の強靭さに牽引され、中国経済は2.3%の成長を実現した。

 北京、上海、深圳は引き続き「都市圏実力」大項目ランキングのトップ3であり、偏差値的にその優位性が際立っている。ランキングのトップ10都市には、広州、重慶、杭州、成都、天津、武漢が含まれている。

 2019年度と比較すると、上位10都市では成都が1つ順位を上げ、天津が3つ順位を下げたものの、その他は順位を維持した。

 36中心都市で見ると、2019年度と比較して順位を上げた都市は、さらに西安、青島、済南、昆明、貴陽、長春、太原、海口、西寧、銀川、フフホト、ラサであった。

図 「都市圏実力」大項目2020

3.「生態環境」大項目:上海、北京、天津がCO2排出量最多3都市に


 都市発展において、環境品質と資源効率はますます重要になっている。 「生態環境」大項目は、「環境品質」、「環境努力」、「資源効率」の3つの小項目指標を置き、「空気質指数(AQI)」、「GDP当たりCO2排出量」、「一人当たりCO2排出量」、「気候快適度」など15の指標データで構成される。同大項目は、環境品質と資源効率に焦点を当てるとともに、環境改善への取り組みをも評価する。

 「CO2排出量」への評価は、「生態環境」大項目の見どころである。現在、36中心都市が排出する二酸化炭素は中国全土の29%を占めている。

 「CO2排出量」を見ると、上海、北京、天津、広州、ハルビン、寧波、青島、重慶、済南、鄭州の順で排出量が多い10中心都市となっている。

 「一人当たりCO2排出量」を見ると、フフホト、太原、蘭州、銀川、天津、ウルムチ、寧波、青島、北京、上海の順で排出量が多い10中心都市となっている。

 「生態環境」大項目のトップ3は、深圳、上海、北京で、深圳が上海を抜いて初めて首位に立った。その他、広州、重慶、廈門、武漢、成都の5中心都市がトップ10にランクインした。

 2019年と比較すると、36中心都市のうち、深圳、廈門、武漢、天津、長沙、寧波、合肥、瀋陽、西安、青島、済南、ラサ、石家荘が、同大項目ランキングで順位を上げた。

図 「生態環境」大項目2020

4.「輻射能力」大項目:北京、上海、深圳がトップ3を維持


 中心都市が「中心都市」たる所以は、周辺地域乃至全国への輻射力にある。このため、都市の輻射力を測ることが中心都市評価の一大キーポイントである。「輻射能力」大項目は、「産業輻射力」、「科学技術・高等教育輻射力」、「生活文化サービス輻射力」の3つの小項目指標を立て、「製造業輻射力」、「IT産業輻射力」、「科学技術輻射力」、「高等教育輻射力」、「医療輻射力」など9の指標データから構成される。同大項目は、都市の産業、科学技術、高等教育など分野の輻射力をはかるだけでなく、生活サービス分野の輻射力も注視している。

 中国の輸出産業は、2020年前半にコロナ禍で深刻な打撃を受けたが、後半は力強く回復した。「中国都市製造業輻射力2020」ランキングの上位10都市は、深圳、蘇州、東莞、上海、寧波、仏山、成都、広州、無錫、杭州となっている。興味深いのは、この10都市の中で中心都市ではない蘇州、東莞、無錫の輸出がマイナス成長になったのに対し、中心都市である深圳、上海、寧波、成都、広州、杭州はいずれも輸出のプラス成長を実現した。こうした製造業スーパーシティに牽引され、2020年に中国の輸出は4%の成長を達成した。

 2020年はIT産業が大きく成長した年であり、デジタル防疫、リモートワーク、オンライン授業、遠隔医療、オンライン会議、オンラインショッピングなどが当たり前になり、コロナ禍があらゆる産業と生活のDXを推し進めた。「中国都市IT産業輻射力2020」ランキングの上位10都市は、北京、上海、深圳、杭州、広州、成都、南京、重慶、福州、武漢で、いずれも中心都市である。 この10都市には、中国のIT就業者数の58.3%、メインボード(香港、上海、深圳)上場IT企業数の77.6%、中小企業版上場IT企業数の62.5%、創業版上場IT企業数の75.3%が集中している。中国のIT産業はこれら中心都市への集中が進んでいる。

 北京、上海、深圳の3都市は、「輻射能力」大項目ランキングではトップ3を維持した。特に1位の北京は3つの小項目でもすべて1位を獲得し、偏差値的に他都市を大きく引き離した。また、トップ10都市には、広州、成都、杭州、南京、西安、武漢などの中心都市が含まれている。

 2019年度と比較すると、同大項目トップ10都市ランキング入りした中心都市では、武漢に代わって8位となった西安と、10位に下がった武漢を除き、その他は同じポジションを維持した。

 36中心都市で見ると、2019度年と比較して、合肥、寧波、昆明、南昌、貴陽、蘭州、フフホト、銀川、ラサといった都市も順位を上げており、とくに合肥、銀川、ラサは上昇幅が際立った。

図 「輻射能力」大項目2020

5.「広域中枢機能」大項目:陸海空輸送の総合力で上海が4年連続トップ


 交通ハブ機能は、中心都市にとって極めて重要であり、他の中枢機能を強化・増幅する基盤となる。「広域中枢機能」大項目は、「水路輸送」、「航空輸送」、「陸路輸送」の3つの小項目を設置し、「コンテナ利便性」、「空港利便性」、「鉄道利便性」、「道路輸送指数」など10の指標データで構成される。同大項目は、都市の水路輸送、陸路輸送、航空輸送のインフラと輸送量を総合的に測る。

 2020年、コロナ禍で打撃を最も受けた業界のひとつは、航空輸送である。特に、長引く国際旅行規制の影響により、中国の空港旅客数は36.6%減少した。幸い、中国は新型コロナウイルスの流行を逸早く制圧し、国内航空輸送量は早期に回復したため、欧米や日本などの国々と比べ減少幅は比較的小さかった。

 「中国空港旅客数2020」上位10都市は、上海、北京、広州、成都、深圳、重慶、昆明、西安、杭州、鄭州であり、いずれも中心都市である。同上位10都市が中国空港旅客数の44.9%を占めている。中国の航空輸送は中心都市に高度に集中する傾向が顕著である。

 空港旅客数に比べ、2020年中国の空港航空貨物取扱量は僅か6%減であった。「中国空港航空貨物取扱量2020」上位10都市は上海、広州、深圳、北京、杭州、鄭州、成都、重慶、南京、西安で、いずれも中心都市である。このうち、深圳、杭州、鄭州、南京の4都市では、空港航空貨物取扱量が増加した。これは中国ではコロナ禍でも物流が活発に行われ、製造業サプライチェーンも迅速に回復したことを示している。中国の空港航空貨物取扱量に占める同上位10都市の割合は72.8%にも達している。航空旅客輸送と比較して、航空貨物輸送が中心都市に集中する傾向がさらに顕著である。

 新型コロナパンデミックの影響でサプライチェーンと海運は世界的に大きな混乱を生じ、現在に至ってなお収まってはいない。そうした中、2020年中国の港湾コンテナ取扱量は1.2%成長を実現した。「中国港湾コンテナ取扱量2020」上位10都市は上海、寧波、深圳、広州、青島、天津、廈門、蘇州、営口、大連となり、このうち非中心都市は蘇州と営口のみである。中国の港湾コンテナ取扱量に占める同上位10都市の割合は70.8%にも達した。中国のコンテナ輸送が特定の港湾都市に高度に集中している。

 陸海空輸送の総合力を盾に、上海は他都市を大きく引き離し、4年連続で「広域中枢機能」大項目の第1位を獲得した。2位から10位は、深圳、広州、北京、天津、寧波、青島、成都、廈門、重慶である。

 36中心都市で見ると、深圳、寧波、成都、杭州、鄭州、西安、昆明、長沙、海口、合肥、南昌、石家荘、蘭州、南寧、長春、西寧、ラサはいずれも2019年度に比べて順位を上げた。このうち、ラサ、西寧、蘭州の上げ幅が大きく、西部地域における広域交通インフラの整備が進んでいることを示している。

図 「広域中枢機能」大項目2020

6.「開放交流」大項目:中心都市が輸出入をリード


 グローバリゼーションの背景下、開放交流は都市の生命線である。「開放交流」大項目は、「国際貿易」、「国際投資」、「交流業績」の3つの小項目指標を立て、「輸入総額」、「実行ベース外資導入指数」、「海外旅行客」、「国際会議」など11の指標データから成る。同大項目は、都市と世界との人、モノ、カネの交流交易を推し量る重要な指標である。

 2020年、新型コロナパンデミックで、人の国際移動が遮断され、観光や国際会議・コンベンションなどの国際交流活動に大きな打撃を与えた。また、グローバルサプライチェーンや国際間物流の世界的な混乱は、輸出入に大きな影響を及ぼした。幸い、中国は迅速に感染を抑制し、同年後半には各都市の輸出入貿易が急回復した。その結果、同年の中国輸出入総額は1.9%成長を遂げた。

 2020年、36中心都市は中国輸出入総額の59%を占めた。輸出入総額の上位10都市は、上海、深圳、北京、蘇州、東莞、天津、寧波、広州、成都、廈門で、このうち8都市は中心都市である。中心都市が力強く中国の輸出入をリードしている。

 「開放交流」大項目でトップ10入りした中心都市は、上海、北京、深圳、広州、天津、成都、重慶、寧波である。

 2019年度との比較では、上海が4年連続トップ、北京が深圳に代わり3位から2位にランクアップした。広州と天津が順位を上げ、重慶と寧波が順位を下げた。

 36中心都市で見ると、2019年度に比べて北京、広州、天津、武漢、南京、鄭州、長沙、福州、済南、南昌、ハルビン、海口、南寧、ウルムチ、銀川、西寧、ラサはいずれも順位が上がった。なかでも海口、銀川、西寧の上げ幅が大きく、東南アジアや中央アジアとの交流の高まりを示した。

図 「開放交流」大項目2020

7.「イノベーション起業」大項目:中心都市がイノベーションとスタートアップをリード


 イノベーション・起業は、交流交易経済の原動力である。「イノベーション・起業」大項目は、「研究集積」、「イノベーション・起業活力」、「政策支援」の3つの小項目指標を置き、「R&D内部経費支出」、「R&D要員」、「特許取得数指数」、「創業板・新三板上場企業指数」など10の指標データから構成される。同大項目は、研究開発への投入だけでなく、その成果も重視する。さらに起業の活力を見据え、政策支援も評価している。

 2020年、36中心都市は、中国の「特許取得数」の50.3%を占めた。「特許取得数」の上位10都市は、深圳、北京、広州、上海、蘇州、杭州、東莞、仏山、天津、南京で、このうち7都市が中心都市である。

 36中心都市には58.7%の「創業板上場企業」が集中している。創業板上場企業数の上位10都市は、深圳、北京、上海、杭州、蘇州、広州、成都、無錫、寧波、長沙で、このうち8都市が中心都市である。中心都市は、イノベーションと起業をリードしている。

 「イノベーション・起業」大項目では、北京が深圳に代わってトップに立ち、上海は3位を維持した。トップ3都市の偏差値は、他の都市と比較して著しく高く、その存在感を際立たせた。また、同大項目トップ10入りの中心都市は、上記3都市に続き広州、杭州、成都、南京、武漢、天津となった。

 36中心都市を見ると、2019年度と比較して北京、武漢、寧波、合肥、長沙、青島、済南、大連、瀋陽、南昌、蘭州、フフホトが順位を上げた。なかでも合肥と南昌は上昇幅が大きかった。

図 「イノベーション・起業」大項目2020

8.「ビジネス環境」大項目:一流レストランやホテルが中心都市に集中


 交流・交易経済の開花には、それに見合ったビジネス環境のサポートが必要である。「ビジネス環境」大項目は、都市の交流・交易経済のサポート能力を評価する指標であり、「園区支援」、「ビジネス支援」、「都市交通」の3つの小項目指標を設置し、「国家園区指数」、「事業所向けサービス業従業者数」、「ハイクラスホテル指数」、「トップクラスレストラン指数」、など10の指標データで構成する。同大項目は、純粋なビジネスサポートを測るだけでなく、政策的なサポートも評価する。さらに市内交通を、ビジネス環境を測る重要な指標としている点は特記すべきである。

 現在、36中心都市には、中国57.5%の5つ星ホテルが集中している。5つ星ホテル数の上位10都市は、上海、北京、重慶、蘇州、杭州、深圳、寧波、広州、南京、廈門で、このうち蘇州を除くすべてが中心都市である。

 36中心都市には、中国87.2%の、ミシュランなど国際評価を受けた一流レストランが集中している。トップクラスレストラン数で上位10都市は、上海、北京、広州、深圳、成都、珠海、杭州、蘇州、三亜、西安で、このうち7都市は中心都市である。一流のホテルやレストランが中心都市に集中する傾向は明らかである。

 北京、上海、広州は、「ビジネス環境」大項目で引き続きトップ3にランクインした。4位から10位は、深圳、成都、南京、天津、武漢、重慶、西安の順でランクインしている。

 2019年度と比較すると、同大項目トップ10の中で、重慶と西安が順位を上げ、杭州はトップ10から脱落した。

 36中心都市で見ると、2019年度と比較して、さらに青島、寧波、福州、ハルビン、済南、西寧、フフホト、石家荘などの都市も順位を上げた。

図 「ビジネス環境」大項目2020

9.「文化教育」大項目:ゼロ・コロナ政策で中国は世界最大の映画市場に


 「文化教育」大項目は、「文化娯楽」、「文化パフォーマンス」、「人材育成」の三つの小項目から成り、「映画館・劇場消費指数」、「博物館・美術館指数」、「地方財政教育支出指数」、「傑出人物輩出指数」など13の指標データから構成される。同大項目は都市文化娯楽生活の場所と関連消費を測るだけでなく、国際的な文化パフォーマンス、教育投資と傑出人材育成も評価する。

 中国エンターテイメント産業は、ゼロ・コロナ政策により迅速に感染を封じ込めたことで、早期に回復した。例えば映画産業の場合、2020年の中国の興行収入は新型コロナウイルス禍の影響で68.2%激減したが、北米など世界の主要な興行市場と比較すると落ち込みは相対的に小さく、また回復の勢いも強かった。その結果、中国は同年における世界最大の映画市場となった。中国市場の力強い回復に支えられ、2020年の世界興行ランキングで中国映画『八佰(The Eight Hundred)』が首位を獲得し、さらに他3本の中国映画も同トップ10にランクインした。

 「文化教育」大項目では、北京、上海、広州は4年連続でトップ3にランクインし、偏差値も他都市よりはるかに高かった。特に北京は、13の指標データのうち9指標で1位を獲得した。南京、成都、天津、重慶、杭州、武漢、深圳はそれぞれ4位から10位にランクインした。

 36中心都市で見ると、2019年度と比較して、上位4都市は不動であった。成都、天津、重慶、済南、合肥、長春、寧波、石家荘、南昌、蘭州、貴陽、海口は順位を上げた。

図「文化教育」大項目2020

10.「都市地位」大項目:北京、上海、広州が3大メガロポリスの要


 中心都市の最も重要な中枢機能は、政治行政機能である。「都市地位」大項目は、行政機能のレベルだけでなく、国際交流のポジションや、メガロポリスにおける中心都市の役割、さらに“一帯一路”、“長江経済ベルト”、“京津冀協調発展”など国家戦略上のパフォーマンスをも評価する。そのため、同大項目は「行政機能」、「メガロポリス&都市圏」、「一帯一路」の3つの小項目指標を設置し、「行政階層」、「大使館・領事館」、「メガロポリス階層」、「一帯一路指数」など8の指標データで構成される。

 首都である北京は、「都市地位」大項目でランキングトップとして、圧倒的な優位性を誇っている。上海は2位を維持、広州は2ランクアップの3位となった。4位から10位は、天津、重慶、南京、成都、深圳、杭州、武漢の順でランクインした。

 36中心都市で見ると、2019年度と比較して、広州、南京、成都、昆明、福州、海口、南昌が順位を上げた。

 北京、上海、広州が「都市地位」大項目でトップ3になったことは、京津冀(北京・天津・河北)、長江デルタ、珠江デルタという3大メガロポリスの中心都市としての評価と、中国の国土構造上の大きな変化を表している。

図 「都市地位」大項目2020


〈中国中心都市&都市圏発展指標2020〉英語版 2022年1月28日付中国国務院新聞弁公室HPで発表

日本語版『〈中国中心都市&都市圏発展指数2020〉を発表ー北京、上海、深圳が総合ランキングトップ3に』(チャイナネット・2022年2月10日掲載)

中国語版『“中国中心城市&都市圈发展指数2020”发布—北京、上海、深圳蝉联综合排名三甲,成都、合肥上升势态强劲—』(中国網・2022年1月26日掲載)

英語版『China Core Cities & Metropolitan Area Development Index 2020 released』(中国国務院英語版・2022年1月28日掲載、チャイナネット・2022年1月28日掲載)

中国中心都市&都市圏発展指数2019

 国際シンクタンクの雲河都市研究院が作成した「中国中心都市&都市圏発展指数2019」がこのほど発表された。総合ランキングのトップ3は北京、上海、深圳。第4位から第9位は順に広州、天津、成都、杭州、重慶、南京となった。

 2018年のトップ10都市と比べ2019年は第1位から第9位まで順位の変化は無かった。中心都市ではない蘇州が第10位に仲間入りしたことで武漢がトップ10から転落した。トップ10以外の都市では、寧波、鄭州、済南、福州、貴陽、石家荘、南寧、銀川などの都市の順位が上がった

 「中国中心都市&都市圏発展指数」は中国国家発展改革委員会発展戦略和計画司の依頼で開発された「中国中心都市指数」をベースにバージョンアップされ、同計画司と雲河都市研究院が共同で開発した「中国都市総合発展指標」の派生指数として、36の中心都市の評価に特化したものである。今回は、2017年以来の3度目の発表になる。

 「中国中心都市&都市圏発展指数2019」のランキングでは東北三省の転落が目立つ。前年度と比べ、同地域における瀋陽、長春、ハルビンの3省都はそれぞれ2つ、1つ、3つ順位を下げ、それぞれ第21位、第26位、第29位となった。新中国の重化学工業基地としての雄姿と今日の中心都市間競争における落ち込みぶりとが大きなギャップを感じさせる。

 「中国中心都市&都市圏発展指数」の大きな特徴は、中国の4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市の計36都市を「中心都市」とし、全国297の地級市以上の都市の中で評価した点にある。同指標の分析によると、これら36の「中心都市」は全国GDP規模の40.5%、貨物輸出の51.3%、特許取得数の48.6%を占め、全国の常住人口の24%、DID人口の42%、メインボード上場企業の67.5%、全国の981&211高等教育機関(トップ大学)の94.8%、5つ星ホテルの57.8%、三甲病院(最高等級病院)の48.1%を有している。

 「中国中心都市&都市圏発展指数2019」は「都市地位」、「都市圏実力」、「輻射能力」、「広域中枢機能」、「開放交流」、「ビジネス環境」、「イノベーション・起業」、「生態環境」、「生活品質」、「文化教育」の10大項目と30の小項目、114組の指標からなり、包括的かつ詳細に、中心都市の都市圏発展を指数で診断し、中国中心都市の高品質発展を促す総合評価システムである。

 「中国中心都市&都市圏発展指数」は「中国都市総合発展指標」の878の基礎データから438の基礎データを精選し、中心都市の都市圏発展を評価するための指標システムを構築した。これら基礎データは、統計データだけではなく、衛星リモートセンシングデータやインターネットのビッグデータも取り入れている。「中国中心都市&都市圏発展指数」はある意味では五感で都市を感知するマルチモーダルインデックス(Multimodal Index)である。例えば衛星リモートセンシングデータによるDID(Densely Inhabited District:人口集中地区)分析は、都市圏人口の規模、分布、密度を正確に把握し、それらと経済発展、インフラ整備、ガバナンス、生態環境マネジメントとの関係を多面的に分析でき、都市圏研究レベルを一挙に引き上げた。これはまさしく斬新なスーパーインデックスである。

 二酸化炭素排出量を中国の都市圏評価に取り入れたことは、「中国中心都市&都市圏発展指数2019」の一大進化である。長年の努力により雲河都市研究院は、衛星リモートセンシングデータの解析とGISの分析を用いて各都市の二酸化炭素排出量を正確に算出した。これにより都市圏評価の精度と分析幅を格段に上げた。

1.「都市地位」大項目

 北京、上海は「都市地位」大項目ランキングのトップ2であり且つ偏差値の高さで他都市を大きく引き離している。ランキング第3位から第10位までは順に天津、重慶、広州、深圳、南京、杭州、成都、武漢が入った。2018年と比べ北京、上海の順位は不動であり、天津、重慶、深圳の順位は上昇した。とくに深圳は、2018年の第9位から2019年には第6位へと躍進した。

 「都市地位」大項目は行政機能のレベルだけでなく、メガロポリスにおける中心都市の役割、そして“一帯一路”、“長江経済ベルト”、“京津冀協調発展”など国家戦略におけるパフォーマンスをも評価する。

 そのため、同大項目は「行政機能」、「メガロポリス&都市圏」、「一帯一路」の3つの小項目指標を設置し、「行政階層」、「大使館・領事館」、「国際組織」、「メガロポリス階層」、「中心都市階層」、「都市圏階層」、「一帯一路指数」、「歴史的地位」など8組の指標データで構成される。

 (1)「行政機能」小項目:北京、上海、重慶は同小項目のトップ3である。第4位から第10位までの中心都市は天津、瀋陽、広州、杭州、南京、成都、武漢であった。首都、直轄市、省都が行政機能小項目において優勢であった。

 (2)「メガロポリス&都市圏」小項目:北京、上海、深圳が同小項目のトップ3を飾った。第4位から第10位までの中心都市は広州、天津、杭州、南京、成都、重慶、合肥であった。メガロポリス&都市圏小項目では、長江デルタ、珠江デルタ、京津冀、成渝の四大メガロポリスの都市の得点が高い。

 (3)「一帯一路」小項目:北京、上海、深圳は同小項目のトップ3であった。第4位から第10位までの中心都市は広州、ウルムチ、昆明、南京、ラサ、西安、天津だった。2018年と比べ北京、上海、深圳、南京の順位は維持されたものの、広州、ウルムチ、昆明、ラサ、西安の順位が上がり、一帯一路の拠点都市であることに加え、貿易・投資や人の往来の活発な都市の得点が高い。

2.「都市圏実力」大項目

「都市圏実力」大項目ランキンングトップ3は北京、上海、深圳である。偏差値からみると他都市と比べ、この3都市の優位性が突出している。他にトップ10入りした中心都市は広州、重慶、天津、杭州、成都、武漢の6都市であった(トップ10内に36中心都市ではない都市が含まれる場合がある。以下同)。

2018年と比べトップ10都市のうち北京、上海、深圳、広州の順位は不動だった。重慶は1位、杭州は2位順位を上げた。このほかにも寧波、鄭州、福州、済南、昆明、貴陽、石家荘、西寧、銀川、フフホト、ラサなど都市の順位が上がった。

「都市圏実力」大項目は「経済規模」、「都市圏品質」、「企業集積」の3つの小項目を設置し、都市の経済と人口規模、そして都市圏の人口集約度とその構造、さらにはその経済中枢機能を評価する。

  そのため、同大項目は「GDP規模」、「税収規模」、「固定資産投資規模指数」、「電力消費量」、「常住人口」、「DID人口」、「常住人口増加率指数」、「人口流動」、「DID面積指数」、「都市圏人口集中度」、「都市圏構造」、「フォーチュントップ500中国企業」、「中国トップ500企業」、「メインボード上場企業指数」の14の指標データで支えられる。

 (1)「経済規模」小項目:上海、北京、重慶が同小項目のトップ3を飾った。偏差値からみて他都市に比べ同三都市は優位性が明らかである。トップ10ランキング入りの中心都市は他に深圳、広州、天津、成都、武漢、杭州の6都市であった。深圳、広州の経済規模はすでに天津のそれを超え、四大直轄市にひけをとらない経済力を有している。2018年と比べ、2019年は36中心都市中、同小項目のトップ10都市の順位は変わらなかった。鄭州、寧波、長沙、西安、合肥、福州、済南、昆明、太原、ウルムチ、蘭州、フフホト、銀川、西寧、ラサなど都市の順位は上がった。

 (2)「都市圏品質」小項目:上海、深圳、北京が同小項目のトップ3を飾った。ランキングトップ10入りした中心都市は他に、広州、天津、武漢、成都、杭州の5都市であった。297の地級市以上の都市のうち、2019年は重慶が同小項目で順位が第31位と振るわなかったものの、2018年の第43位と比べると上げ幅は大きく、これが「都市圏実力」大項目での順位アップの由来であった。同小項目では杭州が2018年の第13位から2019年には第10位に上がったことが、同市の「都市圏実力」大項目での順位上昇につながった。

 (3)「企業集積」小項目:北京、上海、深圳は同小項目において圧倒的な優位でトップ3位を占め、同3都市の企業本社集積規模の強大さは突出していた。ランキング10位入りした中心都市は他に広州、杭州、南京、寧波、重慶、福州の6都市であった。36中心都市全体からみると、2018年に比べ広州、寧波、福州、アモイ、済南、青島、鄭州、銀川、フフホトなど都市が順位を上げた。

3.「輻射能力」大項目

 「輻射能力」大項目ランキング第1位の都市は北京であり、そのゆるぎない力で、同大項目における各小項目ランキングでも軒並み1位を獲得した。上海、深圳、広州、成都、杭州、南京、武漢、西安の8中心都市もトップ10入りした。2018年と比較し、トップ10のうち北京、上海、深圳、杭州、南京の順位は不動で、広州、武漢の順位は僅かに上がり、成都、西安は順位を下げた。天津はトップ10から弾き出された。

 中心都市が「中心都市」たる所以は、周辺地域や全国への輻射力の大きさにある。このため、都市の輻射力をはかることが中心都市評価のキーポイントとなる。「輻射能力」大項目は、まさに中心都市の各機能が全国及び周辺地域に与える影響力の強弱をはかる指標である。同大項目は、都市の産業、科学技術、高等教育など分野の輻射力をはかるだけでなく、都市での生活サービス分野の輻射力を特に注視し明らかにしている。

 同大項目では「産業輻射力」、「科学技術・高等教育輻射力」、「生活文化サービス輻射力」の3つの小項目指標を立て、「製造業輻射力」、「IT産業輻射力」、「金融業輻射力」、「科学技術輻射力」、「高等教育輻射力」、「文化・スポーツ・娯楽輻射力」、「医療輻射力」、「卸売・小売輻射力」、「飲食・ホテル輻射力」など9組の指標データから構成される。

 (1) 「産業輻射力」小項目:北京、深圳、上海がトップ3の雄姿を示した。トップ10入りした中心都市は他に成都、広州、杭州、南京、アモイの5都市であった。36中心都市全体からみると、2018年と比べ北京、深圳、上海、成都、アモイ、福州、寧波の順位は維持された。広州、重慶、武漢、合肥、海口、瀋陽、太原、石家荘、西寧、ウルムチ、南寧、フフホトなど都市の順位は上がった。

 (2) 「科学技術・高等教育輻射力」小項目北京、上海、深圳は同小項目のトップ3を占め、とくに北京の優位性が際立った。ランキング第4位から第10位までの都市は広州、南京、天津、成都、杭州、武漢、西安であった。36中心都市全体からすると2018年と比べ北京、上海、長沙、大連、合肥、瀋陽、太原の順位は変わらず、深圳、南京、天津、杭州、済南、青島、寧波、長春、アモイ、福州、石家荘、銀川など都市の順位は上がった。

 (3)「生活文化サービス輻射力」小項目:北京、上海、成都が小項目のトップ3を占め、北京の同小項目での優勢が突出していた。ランキング第4位から第10位までに入った中心都市は広州、杭州、武漢、南京、深圳、天津、西安の7都市だった。深圳は第7位から第8位へと順位を下げた。

4.「広域中枢機能」大項目

 「広域中枢機能」大項目ランキングの第1位は水路輸送、陸路輸送、航空輸送いずれも上海が優勢を誇り、偏差値から見て他都市を大きく引き離した。ランキング第2位から第10位までの中心都市は広州、深圳、北京、天津、青島、寧波、アモイ、重慶、南京だった。2018年と比べ第5位までの都市に変化はなく、青島、アモイの順位はやや上がり、重慶は2018年の第11位から2019年には第9位へと上昇し陸路輸送の貢献が大きかった。

 交通中枢は中心都市の重要な機能で、これは他のセンター機能が成り立つ土台でもある。広域中枢機能は都市の水路輸送、陸路輸送、及び航空輸送のインフラ条件と輸送量を測る大項目である。

 同大項目は「水路輸送」、「航空輸送」、「陸路輸送」の3つの小項目を設置し、「コンテナ利便性」、「コンテナ取扱量」、「水運輸送指数」、「空港利便性」、「航空輸送指数」、「鉄道利便性」、「鉄道密度指数」、「高速道路密度指数」、「国道・省道密度指数」、「道路輸送指数」など10組の指数データで構成される。

 (1)「水路輸送」小項目:上海、深圳、寧波は同小項目のトップ3をとなった。ランキング10位内に入った中心都市は他に、広州、青島、天津、アモイ、大連の5都市で、臨海都市が同小項目の上位を占めた。

 (2)「航空輸送」小項目:上海、北京、広州が同小項目のトップ3であった。いずれも中国最大の航空輸送中枢都市であり、偏差値から見た優位性が顕著である。深圳、成都、昆明、重慶、西安、杭州、鄭州は第4位から第10位までを占めた。西南・西北地域の航空輸送依存の高さが、成都、昆明、重慶、西安など都市の航空中枢地位を高めた。

 (3)「陸路輸送」小項目:広州、深圳、貴陽が同小項目のトップ3であった。ランキング10入りした中心都市は他に、北京、上海、南京、重慶、武漢の5都市であった。同小項目の中で西南地域の貴陽のパフォーマンスは目を見張るものがあった。

5.「開放交流」大項目

 「開放交流」大項目ランキングトップ10入りした中心都市は上海、深圳、北京、広州、重慶、天津、成都、寧波、杭州の9都市である。2018年と比べ、トップの上海は首位の座を維持し、深圳、重慶、成都、寧波は順位をあげた。

 開放交流はグローバリゼーションを背景に、都市と世界との人、カネ、モノの交流交易を推し量る重要な指標である。同大項目は「国際貿易」、「国際投資」、「交流業績」の3つの小項目指標を立て、「貨物輸出」、「貨物輸入」、「実行ベース外資導入指数」、「対外直接投資」、「海外旅行客」、「国内旅行客」、「国際旅行外貨収入」、「国内旅行収入」、「世界観光都市認定指数」、「国際会議」、「展示会業発展指数」など11組の指数データから成る。

 (1)「国際貿易」小項目:上海、深圳、北京が同項目でトップ3を飾った。トップ10入りした中心都市は他に広州、寧波、天津、アモイの4都市だった。2018年と比べ、寧波、成都、合肥、長沙、済南、昆明、南寧、海口など都市の順位が上がった。

 (2)「国際投資」小項目:上海、深圳、北京がトップ3だった。ランキング第4位から第10位までの中心都市は順に天津、重慶、寧波、青島、成都、大連、武漢であった。2018年と比べ、ランキングトップ10入りした中心都市の中で、上海、深圳、寧波、成都、大連、武漢の順位が上がった。

 (3)「交流業績」小項目:上海、北京、広州が同項目のトップ3となった。偏差値から見ると、トップ3都市の値が他都市を大きく引き離した。ランキング第4位から第10位までの中心都市は順に、深圳、重慶、成都、杭州、武漢、西安、アモイだった。2018年と比べ、ランキングトップ10入りした都市では、杭州、武漢、西安、アモイの順位がアップした。

6.「ビジネス環境」大項目

 「ビジネス環境」大項目ランキングトップ3の都市は、北京、上海、広州であった。深圳、成都、南京、天津、武漢、杭州、重慶が順に第4位から第10位となった。2018年と比べ、トップ10入りした中心都市の中で北京、南京、武漢、杭州の順位が上がった。

 ビジネス環境は、都市の交流交易経済を開花させる大切な要素である。同大項目は純粋なビジネスサポートを測るだけでなく、都市の政策的なサポートも評価する。市内交通を、ビジネス環境を測る重要な指標としている点は特記すべきである。

 同大項目は、「園区支援」、「ビジネス支援」、「都市交通」の三つの小項目指標を設置し、「国家園区指数」、「自由貿易区指数」、「平均賃金指数」、「事業所向けサービス業従業員数」、「ハイクラスホテル指数」、「トップクラスレストラン指数」、「1万人あたり公共バス利用客数」、「都市軌道交通距離」、「都市歩道・自転車道密度指数」、「公共交通都市指数」など10組の指数データで構成する。

 (1)「園区支援」小項目:深圳、上海、アモイがトップ3都市となった。トップ10入りした中心都市は他に、海口、天津、重慶、西安の4都市あった。2018年と比べ、トップ10中心都市の中で深圳、海口、天津の順位が上がった。

 (2)「ビジネス支援」小項目:北京、上海、深圳がトップ3となった。トップ10入りした中心都市は他に、広州、成都、杭州、天津、南京、重慶の6都市であった。2018年と比べ、トップ10都市のうち深圳、南京の順位が上がった。

 (3)「都市交通」小項目:北京、上海、広州がトップ3を占めた。ランキング第4位から第10位までの都市は順に深圳、武漢、成都、南京、蘭州、杭州、ウルムチだった。2018年と比べ、北京が上海に代わって第1位となった。成都、蘭州、杭州の順位が上がった。

7.「イノベーション起業」大項目

 「イノベーション・起業」大項目では深圳が北京を追い落として第1位を獲得した。トップ10入りした中心都市は他に、北京、上海、広州、杭州、成都、南京、天津、武漢の8都市だった。2018年と比べ、トップ10都市の中で深圳、広州、成都の順位が上がった。

 イノベーション・起業は交流交易経済の融合、再編の重要手段であり、都市発展の主要な原動力である。よって同大項目は研究開発への投入だけでなく、その成果も重視する。また起業の活力を見据え、さらに政策支援も評価した。

 よって同大項目には「研究集積」、「イノベーション・起業活力」、「政策支援」の3つの小項目指標を置き、「R&D内部経費支出」、「地方財政科学技術支出指数」、「R&D要員」、「中国科学院・中国工程院院士指数」、「創業板・新三板上場企業指数」、「特許取得数指数」、「国家改革試験区指数」、「国家イノベーション模範都市認定指数」、「情報・知識産業都市認定指数」、「国家重点研究所・工学研究センター指数」など10組の指標データから構成される。

 (1)「研究集積」小項目:同小項目ランキングトップ3を飾った都市は、北京、深圳、上海だった。偏差値からみると同3都市のパフォーマンスが他都市をはるかに上回った。トップ10入りした中心都市は他に広州、南京、杭州、天津、武漢、成都の6都市だった。2018年と比べると、トップ10都市の中で、深圳、広州、南京、杭州、成都の順位が上がった。

 (2)「イノベーション起業活力」小項目:トップ3の都市は深圳、北京、上海であった。中でも深圳、北京両都市の偏差値は他都市を大きく引き離した。トップ10入りした中心都市は他に広州、杭州、成都、南京の4都市だった。2018年と比べ、トップ10入りした中心都市には順位をあげた都市はなかった。

 (3)「政策支援」小項目:同小項目ランキングトップ3都市は北京、上海、重慶であった。トップ10入りした中心都市は他に天津、成都、武漢、青島、西安、深圳の6都市で、直轄市の政策支援の手厚さが目立った。2018年と比較すると、トップ10入りした中心都市では成都、武漢、西安、深圳の順位が上がった。

8.「生態環境」大項目

 上海、深圳、北京が「生態環境」大項目のトップ3を飾った。トップ10入りした中心都市は他に広州、重慶、成都、アモイ、武漢の5都市だった。2018年と比べ、36中心都市の中で深圳、重慶、成都、武漢、南京、長沙、貴陽、昆明、ラサ、西寧の順位が上がった。

 都市にとっては、生態環境の品質や資源利用の効率の重要性はますます高まっている。同大項目指標は環境品質と資源効率を重視すると同時に、都市の環境努力への評価も行う。特記すべきは、今年度、初めて二酸化炭素排出量の評価を導入した点である。

 これにより、同大項目は「環境品質」、「環境努力」、「資源効率」の3つの小項目指標を置き、「気候快適度」、「空気質指数」、「1万人当たり水資源」、「森林面積」、「自然災害による直接的経済損失指数」、「地質災害による直接的経済損失指数」、「災害警報」、「公園緑地面積」、「環境努力指数」、「環境配慮型建築設計評価認定項目」、「国家環境保護都市認定指数」、「DID人口指数」、「GDP当たりCO2排出量」、「一人当たりCO2排出量」、「市街地土地産出率」など15組の指標データで構成される。

 (1)「環境品質」小項目:36中心都市の中で同小項目トップ30入りしたのは、3都市に限られ、海口の第15位、ラサの第17位、昆明の第27位であった 同項目において中心都市の成績は芳しくなかった。2018年と比べ、36中心都市の中で、重慶、寧波、南寧、杭州、成都、南京、蘭州、西寧、合肥、長沙、武漢の順位が大幅に上がった。

 (2)「環境努力」小項目:北京、上海、深圳が同小項目のトップ3を飾った。トップ10入りした中心都市は他に重慶、広州、鄭州、南京、天津、成都の6都市だった。2018年と比べると36中心都市の中で深圳、鄭州、南京、成都、アモイ、済南、寧波、西安、貴陽、長春、銀川、太原、ウルムチ、フフホト、海口、西寧の順位が上がった。

 (3)「資源効率」小項目:上海、深圳、北京が同小項目でトップ3を飾った。トップ10入りした中心都市は他に、広州、武漢、成都、長沙、南京の5都市だった。2018年と比べ、36中心都市の中で、長沙、重慶、貴陽、ラサの順位は上がった。

9.「生活品質」大項目

 「生活品質」大項目では北京、上海、広州がトップ3となった。杭州、成都、重慶、南京、武漢、天津、深圳が順に第4位から第10位までとなった。2018年と比べ、トップ10のうち前から3位までは不動だった。杭州、成都、重慶、武漢の順位は高くなった。

 ハイクオリティな生活は都市を評価する最重要ポイントのひとつである。高い生活水準を支えるサービス業も都市発展の重要な支柱となる。また都市の住みやすさや安全性も一大関心事である。生活消費水準の評価や医療福祉の水準も重視する。

 同大項目は都市の「住みやすさ」、「生活消費水準」、「医療福祉」の3小項目指標を設置し、「住みやすい都市認定指数」、「文明衛生都市認定指数」、「安全安心都市認定指数」、「中国幸福感都市認定指数」、「交通安全指数」、「1万人当たり社会消費財小売消費額」、「海外高級ブランド指数」、「1万人当たりホテル飲食業営業収入額」、「1万人当たり通信費額」、「1万人当たり住民生活用水量」、「平均寿命」、「医師数」、「三甲病院(最高等級病院)」、「高齢者福祉施設ベッド数」など14組の指標データで構成される。

 (1)「住みやすさ」小項目:同小項目では上海が首位、成都が第3位だった。ランキングトップ10入りした中心都市は他に、杭州、北京、寧波、南京、西安、長沙の6都市だった。2018年と比べ、トップから第4位までの順位は変わらなかった。36中心都市の中で、多数の都市が順位を上げた。特に西安、広州、鄭州、昆明、済南、福州、ラサ、貴陽、ハルビン、南昌、フフホト、蘭州、太原、西寧の順位の上げ幅が高かった。

 (2)「生活消費水準」小項目:北京、上海が同小項目の1位2位を獲得した。トップ10入りした中心都市は他に広州、海口、ラサ、アモイ、深圳、南京の6都市だった。2018年と比べ、トップ10都市の中で北京、上海の上位は変わらず、海口、ラサ、アモイが順位を引き上げた。

 (3)「医療福祉」小項目:北京、上海、重慶が順に同小項目のトップ3だった。広州、成都、天津、杭州、武漢、済南、南京が順に第4位から第10位となった。2018年と比べ、トップ10都市では重慶、成都、済南の順位が上がった。

10.「文化教育」大項目

 「文化教育」大項目のランキングでは北京、上海、広州が上位3位を占めた。特に北京、上海の偏差値は他都市を大きく引き離し、両都市の文化教育資源の厚みが突出していた。南京、武漢、成都、杭州、天津、重慶、深圳が順に第4位から第10位となった。2018年と比べ、36中心都市中、前から6番目までの順位は変わらなかった。杭州、深圳、鄭州、合肥、福州、昆明、石家荘、太原、ラサの順位が上がった。

 文化教育は都市の精神世界を形作る。「文化教育」大項目は都市文化娯楽生活の場所と関連消費を測るだけでなく、国際性、全国的な文化パフォーマンス、教育投資と傑出人材育成も評価する。

 同大項目では「文化娯楽」、「文化パフォーマンス」、「人材育成」の三つの小項目を立てた。同大項目は、「映画館・劇場消費指数」、「博物館・美術館指数」、「スタジオ指数」、「動物園・植物園・水族館」、「公共図書館蔵書量」、「世界トップ大学指数」、「傑出文化人指数」、「オリンピック金メダリスト指数」、「地方財政教育支出指数」、「1万人当たり幼稚園在園児童数」、「インターナショナルスクール」、「高等教育指数」、「傑出人物輩出指数」など13組の指標データから成る。

 (1)「文化娯楽」小項目:北京と上海は同小項目で1位と2位を飾った。両都市の偏差値は他都市を大きく引き離した。両都市の文化娯楽分野での突出ぶりが明らかである。トップ10入りした中心都市は他に重慶、広州、深圳、成都、杭州、南京、天津の7都市だった。2018年と比較し、36中心都市の中で北京、上海の王者ぶりは変わらなかった。重慶、南京、鄭州、長沙、済南、寧波、福州、ラサの順位はアップした。

 (2)「文化パフォーマンス」小項目:北京、上海、南京がトップ3を飾った。とりわけ北京の高偏差値は他都市を引き離し、北京はその分野で突出していた。第4位から第10位までは広州、武漢、西安、長沙、天津、杭州、成都であった。2018年と比べ、36中心都市の中で、深圳、太原、昆明、寧波の4都市の順位の上げ幅が高かった。

 (3)「人材育成」小項目:北京と上海が同小項目の1位、2位を飾った。両都市の偏差値の高さは他都市を引き離していた。第3位から第9位までは順に広州、天津、南京、杭州、成都、武漢、深圳だった。2018年と比べ、前5位までの都市の順位は変わらなかった。36中心都市のうち、杭州、成都、深圳、鄭州、合肥、石家荘、ラサ、長春、大連、太原の順位が上がった。


 2019年2月19日、中国国家発展改革委員会が公布した『現代化都市圏育成発展に関する指導的意見』は、中心都市を都市圏発展政策の中核とし推進することを謳った。

 中国都市化は都市圏の時代に突入した。高密度人口集積の優位性への認識をさらに重視し、より良質なDIDを作り上げることが、都市圏政策の一番の要である。同政策のもう一つの重点は、中心都市と周辺中小都市の相互発展である。第三の政策ターゲットは中心機能の輻射力を向上し強化させることだ。とりわけ強調すべきは、中心都市を国際交流プラットフォームの中心舞台に据えることである。今日のグローバル時代、国際競争と国際交流が国の命運を決める根本である。一国の国際競争力、国際交流水準の高低が、最終的に都市圏の国際性を決定づける。『中国中心都市&都市圏発展指標』はまさに以上の意義に基づき、マルチの角度から都市を評価し、中心都市の都市圏発展のために開発された斬新な政策ツールである。

中国中心都市&都市圏発展指数2018

1. <中国中心都市&都市圏発展指数>とは


 雲河都市研究院が2018年に公表した「中国中心都市指数2017」は社会的な高い関心を呼び、好評を博した。本報告では、同指標の基礎に立ち、以上の分析に基づいて都市圏への問題意識をさらに高め、中国都市圏の発展を全面的に評価する「中国中心都市&都市圏発展指数2018」(以下、CCCI2018)を開発した。

 「中国中心都市&都市圏発展指数」は元の「中国中心都市指数」の骨組みをベースに、全国298の地級市およびそれ以上の都市について、「都市地位」、「都市圏実力」、「輻射能力」、「広域中枢機能」、「開放交流」、「ビジネス環境」、「イノベーション・起業」、「生態環境」、「生活品質」、「文化教育」の10大項目を設定した。また、この10大項目ごとに3つの小項目を置き、計30の小項目を設けた。さらに、114の指標データを用いて、これらの小項目を構成した。

 同指数の1つの大きな特徴は、298の地級市以上の都市をベースに、4つの直轄市、22の省都、5つの自治区首府、そして5つの計画単列市の、合わせて36の中心都市を評価したことである。

 

中国中心都市&都市圏発展指数構造図

2. 中国中心都市&都市圏発展指数2018 総合ランキング


中国中心都市&都市圏発展指数2018総合ランキングトップ37都市

 下図が示すように、「CCCI2018」総合ランキングトップ3都市は順に、北京、上海、深圳で、ランキング第4位から第10位の都市は、広州、天津、成都、杭州、重慶、南京、武漢であった。この36都市で、全国39.7%のGDP、55.2%の貨物輸出、48.7%の特許取得数を稼ぎ出し、全国25%の常住人口、41.4%のDID人口、71.6%のメインボード上場企業が集中し、全国94.8%のトップ大学、34.1%の映画館・劇場、58.1%の五つ星ホテル、54.1%の三甲病院を有している。

中国中心都市%都市圏発展指数2018 総合ランキング

3. 都市地位大項目 


 都市地位大項目ランキングのトップ3は、北京、上海、広州。第4位から第10位は順に天津、重慶、南京、杭州、成都、深圳、武漢。 都市地位大項目は行政機能、メガロポリス、“一帯一路”の3つの小項目指標を設置。行政機能の小項目においては、首都、直轄市、省都の行政機能が高得点となった。長江デルタ、珠江デルタ、京津冀(北京・天津・河北)の3大メガロポリスの都市は、大項目指標において点数が高い。“一帯一路”の小項目では、貿易投資および海外との往来が良好な都市が、上位を占めた。

都市地位ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

4. 都市圏実力大項目 


 都市圏実力大項目ランキンングトップ3は北京、上海、深圳。第4位から第10位は順に広州、天津、重慶、杭州、武漢、成都、南京。都市圏実力大項目は経済規模、都市圏品質、企業集積の3つの小項目指標を設置。面積も人口も規模も特大な4大直轄市が、経済規模のトップ4を占めた。北京、上海、深圳は企業集積小項目で圧倒的優位に立ち、順にトップ3を飾った。上海、深圳、北京は都市圏品質小項目でもトップ3となった。

都市圏実力ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

5. 輻射能力大項目


 輻射能力大項目ランキングトップ3は北京、上海、深圳。第4位から第10位は順に成都、広州、杭州、南京、西安、武漢、天津。

 輻射能力大項目は製造業・IT産業輻射力、金融・科学技術・高等教育輻射力、生活文化サービス輻射力の3つの小項目の指標を設置。北京は3つの小項目の第1位をすべて独占した。上海は金融・科学技術・高等教育輻射力と生活文化サービス輻射力の2つの小項目で第2位、深圳は製造業・IT産業輻射力で第2位だった。広州と成都はそれぞれ金融・科学技術・高等教育輻射力と生活文化サービス輻射力で第3位につけた。

 
輻射能力ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

6. 広域中枢機能大項目 


 広域中枢機能大項目ランキングトップ3は上海、広州、深圳。北京は第4位につけ、第5位から第10位は順に天津、寧波、青島、武漢、廈門、成都。広域中枢機能大項目は水路輸送、航空輸送、陸路輸送の3つの小項目指標を設置。上海、深圳、寧波、広州をはじめとする臨海都市が水路輸送の上位を占めた。上海、北京、広州の3都市は航空輸送でトップ3となった。陸路輸送トップ3は広州、武漢、北京。

 
広域中枢機能概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

7. 開放交流大項目


 開放交流大項目ランキングトップ10は上海、北京、深圳、天津、広州、重慶、杭州、成都、青島、寧波。  開放交流大項目は国際貿易、国際投資、交流業績の3つの小項目指標を設置。国際貿易トップ3は上海、深圳、北京。国際投資トップ3は天津、上海、北京。交流業績トップ3は上海、北京、広州だった。

開放交流ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

8. ビジネス環境大項目 


 ビジネス環境大項目ランキングトップ3は上海、北京、広州。第4位から第10位は順に深圳、成都、天津、南京、廈門、重慶、武漢。  ビジネス環境大項目は園区支援、ビジネス支援、都市交通の3つの小項目指標を設置。園区支援トップ3は上海、深圳、廈門。ビジネス支援トップ3は北京、上海、広州。都市交通トップ3は上海、北京、広州だった。

ビジネス環境ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

9. イノベーション・起業大項目


 イノベーション・起業大項目トップ3は北京、深圳、上海。第4位から第10位は順に広州、杭州、天津、南京、成都、武漢、重慶。イノベーション・起業大項目は研究集積、イノベーション・起業活力、政策支援の3つの小項目指標を設置。研究集積トップ3は北京、上海、深圳。イノベーション・起業活力トップ3は深圳、北京、上海。政策支援トップ3は北京、上海、重慶で、直轄市が政策支援で高評価を得た。

イノベーション・起業ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

10. 生態環境大項目


 生態環境大項目トップ3は上海、北京、深圳。第4位から第10位は順に広州、天津、重慶、廈門、杭州、成都、武漢。  生態環境大項目は資源環境品質、環境努力、資源効率の3つの小項目指標を設置。環境努力トップ3は北京、上海、重慶。資源効率トップ3は上海、深圳、北京で、同3都市はDID人口の規模が大きく密度が高いだけでなく、企業の本社も集積している。しかし、資源環境品質では中国中心都市&都市圏発展指数の対象36都市からは海口と廈門だけが全国トップ20に入り各々第13位と第19位であった。その他の都市は及ばなかった。

生態環境ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

11. 生活品質大項目


 市民と密接に関わる生活品質大項目ランキングは、北京、上海、広州がトップ3、深圳は意外にも第10位へと順位を落とした。第4位から第9位は順に天津、杭州、成都、南京、重慶、武漢。深圳が第10位まで順位を下げたのは、主に医療福祉、住みやすさの2つの小項目が足を引っ張ったためである。住みやすさ小項目のトップ3は上海、蘇州、成都。生活消費水準小項目トップ3は北京、上海、広州。医療福祉小項目トップ3も北京、上海、広州であった。

生活品質ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

12. 文化教育大項目 


 文化教育大項目ランキングでも深圳はいまひとつ振るわず、トップ10から外れた。トップ3は北京、上海、広州。第4位から第10位は順に南京、武漢、成都、天津、西安、重慶、杭州。文化教育大項目は文化娯楽、人材育成、文化パフォーマンスの3つの小項目指標を設置。中でも深圳は人材育成で全国第11位につけたが、文化パフォーマンスでは第73位と落ち込んだ。

文化教育ランキング概略図(総合ランキング中心都市トップ20)

 「中国中心都市&都市圏発展指数」は、その分析により中心都市の発展状況を各方面から観測・判断し、中心都市の都市圏発展に有益な方向性を提示する。全国298の地級市以上の都市の分析研究は、中国の高度な都市機能が中心都市に集中し、かつ高機能であるほど集約度が高いことを示した。中心都市をコアとする都市圏の育成と発展こそが、国際競争での中国の都市の勝敗を決める。



中国中心都市指数2017

1. 〈中国中心都市指数とは


 世界が大都市、メガシティの時代に入った時期は、ちょうど中国の改革開放期と重なった。この間、中国は「アンチ都市化政策」から、「小城鎮発展政策」へ、そしてメガロポリスを基本形態とする「新型都市化政策」へと政策をシフトさせた。中国も大都市化、メガシティ化の過程をたどり始めた。
 1980年から2015年、中国の都市人口は3.8億人増加し、同時期の世界都市人口増加総数の30%を占めた。上述したように1980年から2015年、全世界で都市人口が100万人以上増えた都市は274都市にも達し、それら都市で7.8億人もの人口が増えた。それに対して、同時期中国で都市人口が100万人以上増えた都市は72都市にのぼり、その数は世界の26.3%に達した。さらにこれら中国の都市で増えた2.3億人の人口は世界での上記274都市の人口増加分の29.5%に当たった。
 同時期250万人以上増えた都市に絞って見ると、世界全体では92都市あるうち、中国は30都市に達し、その数は世界の3分の1を超えた。中国の同30都市での人口は合わせて1.7億人増え、世界同92都市の人口増加総数の33.4%をも占めた。
 さらに同時期、世界で都市人口が1,000万人以上増えた都市は11都市あり、そのうち中国は半分近くの5都市あった。
 上述した分析で明らかになったのは、中国の急速な都市化、大都市化、メガシティ化と世界の趨勢とが合致していることである。
 さらに注目すべきは、中国で都市人口が250万人以上増加した30都市はすべて直轄市、省都と沿海都市に集中していることである。上述の大都市化と中心都市、沿海都市との関係の分析および推論に完全に一致している。
 これは世界の他の大都市の発展と同じメカニズムが、中国の大都市の発展をもたらしたことを意味する。中国の都市の大発展は、グローバリゼーションの産物である。
 今日、上述した中国30都市の常住人口総数と戸籍人口総数との差は、7,022万人に達した。言い換えれば、今なお7,000万人を超える外来人口が、この30都市に住んでいる。大量の人口を吸収したこの30都市は、中国全国のGDP、貨物輸出総額、海外旅行客数、特許取得数それぞれに占める割合が、39.2%、67.0%、58.1%、56.4%と極めて高い。また、中国全国の上場企業(メインボード)の66.3%も同30都市に集中していた。まさにこの30都市が改革開放以来の中国社会経済の発展を主導したことが見て取れる。
 大都市化、メガシティ化の本質は中心都市間の国際競争にある。地域的で国家的かつ世界的なセンター機能の強化を通じて、人材、資本、企業の吸引力を高めることが、中心都市競争の肝腎要である。
 従って、都市のセンター機能をいかに正確に評価し、強化するかが、極めて重要となってくる。
 こうした認識に立ち、雲河都市研究院は〈中国都市総合発展指標〉を基礎に「中国中心都市指数」を研究開発し、中国都市の主要なセンター機能を評価する手法を確立した。
 「中国中心都市指数」は〈中国都市総合発展指標〉の中で、センター機能評価に比較的関連が強い指標を抽出し、新たに「都市地位」「都市実力」「輻射能力」「広域中枢機能」「開放交流」「ビジネス環境」「イノベーション・起業」「生態環境」「生活品質」「文化教育」の10大項目に組み直した。さらに、この10大項目ごとに3つの中項目を置き、各中項目指標をいくつかの指標データで支え、中心都市を評価する指標体系を作った。

中国中心都市指数構造図

2. 中国中心都市指数総合ランキング


中国中心都市指数総合ランキングトップ37都市

 

「中国中心都市指数」の総合ランキング上位37都市に、すべての直轄市、省都および計画単列市がランキング入りした。また、こうした「肩書き」を一切持たない蘇州もこれに加わった。

 中心都市ランキングトップ37位の都市は、中国のGDPの40.7%、特許取得件数の54.4%、貨物輸出の59.9%、海外旅行客数の55.3%を占めている。さらにこの37都市には、現在合わせて6,338万人の非戸籍人口が生活している。37都市は、全国の25.4%の人口を持つだけでなく、全国の42.7%のDID人口も持つ。膨大で高密度の人口と強大な中心機能が、巨大な創造力を醸成した。この37都市に全国72.4%の上場企業(メインボード)が集まり、中国社会経済発展を力強く引っ張っている。

中国中心都市指数2017総合ランキング