〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。
長沙市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第16位にランクインした。同市は2019年度より順位が1位上昇した。
同市は、湖南省の省都であり、長江(揚子江)中流域の重要な中心都市である。人口約1,024万人を抱えるメガシティであり、2021年のGDPは1.33兆元(約25.2兆円、1元=19円換算)を達成している。長沙市は6つの市区、1つの県、2つの県級市を管轄し、総面積は11,819平方キロメートルである(秋田県と同程度の大きさ)。
2007年、中国政府は同市を「”両型(省エネルギー・環境保護)社会” 建設総合改革モデル地域」に指定し、同市と周辺都市で省エネルギーと環境保護を重視した都市建設を推し進めている。また、同市は中国の重要な穀物生産基地でもあり、長江中流域と「長江経済ベルト」の重要な結節点としての役割を担い、交通・物流の重要なハブとしても機能している。
同市は豊かな自然資源に囲まれ、古来より人々が行き交う都市として発展を遂げてきた。都市の歴史は3000年以上を有し、楚漢文明と湖湘文化の発祥の地でもあり、市内には多くの歴史的遺産が残されている。同市は中国国内で最初に指定された「中国歴史文化名城(歴史文化都市)」という称号も有している。
同市は、古くから教育が盛んで、近代中国の礎を築いた多くの革命家を輩出した都市としても有名である。清朝末期、旧民主革命の発祥地の一つであり、太平天国鎮圧の立役者で洋務運動初期の推進者・曽国藩、辛亥革命の中心的人物である黄興、共産党のトップであった毛沢東や劉少奇らも同市で学んだ。
長沙市は商業都市としても名を轟かせており、経済はサービス業を主とし、中でも TV、出版を中心としたメディア産業や娯楽産業が活発である。「中国中心都市&都市圏発展指数2020」において、「文化・スポーツ・娯楽輻射力」は全国第10位、「飲食・ホテル輻射力」は全国第10位、「卸売・小売輻射力」は全国第7位である。
中国中心都市&都市圏発展指数2020
中国中心都市&都市圏発展指数2019
中国中心都市&都市圏発展指数2018
中国中心都市指数2017