廈門【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 廈門市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第17位にランクインした。同市は2019年度より順位を2位落とした。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 同市は、福建省の東南端に位置する計画単列市・副省級市であり、中国南東部沿岸の重要な中心都市である。古来より国際的な港湾として名高く、風光明媚な観光都市で「海上花園」とも呼ばれている。同市の総面積は1700平方キロメートル、常住人口は528万人であり、漢民族が中心で、シェ族、回族などの少数民族も居住している。廈門は有名な華僑都市でもあり、香港、マカオ、台湾の華僑が多く居住している。

 同市は、古来、白鷺が生息していたことから「鷺島」と呼ばれたとの伝説がある。明の時代には泉州府に属し、1387年に国府の門を意味する「廈門城」が建設され、「廈門」の名が歴史書に加えられた。

 16世紀は、茶の輸出における一大拠点となり、19世紀半ばに開港し、教会、病院、学校、外国銀行などが建設された。廈門市は中国・西洋文化が多様に融合・発展してきた稀有な都市でもある。

 1980年、中国国務院は廈門経済特区の設立を承認し、中国における改革開放の「窓」あるいは「実験場」となった。以来、同市は急速な発展を遂げ、その勢いは今も続いている。

 中国南東部沿岸の宝石と称され、古来より様々な外部の世界からの来訪者を迎えていた廈門市は、古くからの文化も息づき、独特のエキゾチックな雰囲気が漂っている。また、同市は亜熱帯気候に属し、温暖で雨が多く、年間平均気温が約21℃と快適な環境も有している。そのため、観光都市としてしても名高い。「2020年海外観光客(華僑含む)」は、全国第4位である。

 廈門市は優れた港湾機能を有している。同市の港湾区域は基本的に水深10メートル以上の深水路で、5万トン級の船舶が出入りできるようになっており、歴史的に中国南東沿岸の海外貿易の重要な港となっている。2020年、廈門港のコンテナ取扱量は世界のトップ14、国内ではトップ7にランクインし、中国における主要な国際港になっている。

 現在、同市は中国政府が推進する「一帯一路」における21世紀海上シルクロードの戦略的要衝都市となっている。また、アジアとヨーロッパを結ぶ「中欧班列(ユーラシア横断鉄道)」は同市にも接続している。これにより、「海のシルクロード」と「陸のシルクロード」は同市で出会い、混ざり合っている。


中国中心都市&都市圏発展指数

中国中心都市&都市圏発展指数2020
中国中心都市&都市圏発展指数2019
中国中心都市&都市圏発展指数2018
中国中心都市指数2017

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