フフホト: 農耕文化と遊牧文化が混じり合う草原の中心都市 【中国中心都市&都市圏発展指数2020】第46位

 フフホト市は、中国中心都市&都市圏発展指数2020の総合第46位にランクインした。同市は2019年度より順位を1つ上げている。

 中国中心都市&都市圏発展指数は、中国都市総合発展指標の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 フフホト市は、内モンゴル自治区の省都であり、中国北部地域における重要な中心都市である。フフホト市は自然環境が大変豊かであり、「国家森林都市」にも認定されている。総面積は、17,200平方キロメートル(岩手県と同程度)である。市郊外の北部に連なる陰山山脈には大草原が広がり、牧草地は9,549平方キロメートルにも及び、市面積の半分以上を占めている。大草原には、羊や馬が放牧され、モンゴル族のテント「パオ」が観光客の人気を呼んでいる。2021年現在、常住人口は約350万人で中国では145位、地域内総生産は約3,121億元(約6.2兆円、1元=20円換算)で、中国では99位である。

 同市は、典型的な大陸性気候で、四季の気候変化が顕著であり、年間の気温差も、日中の気温差も大きい。冬は長く、特に1月が最寒で、最低気温は-25~-45℃にも達する。降水量は少なく不均一である。

 フフホトは、2000年以上の歴史を有し、遊牧文明と農耕文明の交易拠点として栄えてきた。同市は、黄土高原と内モンゴル高原の間に位置し、農耕地域と牧畜地域との境界に立地している。市内の南部には農業風景、北部には草原風景が広がり、鮮明な対照をなしている。

 清朝時代は、「綏遠城」と呼ばれていた。1954年、内モンゴル自治区が成立し、フフホトという古来よりの名称が復活し、内モンゴル自治区の省都となった。現在、モンゴル族、漢族、満族、回族、朝鮮族など36民族が集まり住んでいる。

 民族の特色が豊かなフフホトは、観光都市としても名高い。壮大な自然の風景、色彩豊かな民族文化、歴史的なモニュメント、華麗なモンゴルの歌と踊り、モンゴル相撲などが観光客を楽しませている。古代には召城と呼ばれ、召廟(モンゴル族ラマ教の寺院)が多くあったことで知られている。現在、市内には大小50余りの寺院があり、南東部には絢爛豪華な「五重塔」、「硅竹寺」、「銀仏寺」、「北門モスク」、「光華寺」などがある。

 寺院だけでなく市内には、モンゴル族の象徴的な飾りを付けた建物や回族によるイスラム様式の建物が数多く残されている。現在では、歴史的地区の保護や修築によって都市景観の保存をめざした動きが始まっている。

 フフホトは「酪農の都」としても知られ、「伊利」と「蒙牛」という二大ブランドを有し、乳製品が一大産業として育てられている。

 周辺の豊かな石炭資源をベースに市内には多くの発電所が建設されている。発電量は全国24位、中心都市の中では9位を誇り、その電力は周辺都市へ送電されている。電力多消費のデータセンターなども多数誘致している。

 


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