石家荘:鉄道により生まれた大都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 石家荘市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第31位にランクインした。同市は2019年度より順位を1つ下げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 石家荘市は、20世紀初頭は人口僅か578人の小さな村であったが、1902年に京漢鉄道(北京-武漢)の開通に伴い、同地に駅が設置されたことから、都市としての歴史が始まった。その後、中国における鉄道輸送の「南北交通の要衝」として大発展を遂げてきた。いまや河北省の省都として、中国三大メガロポリス「京津冀(北京・天津・河北)メガロポリス」における重要な中心都市の一つとなっている。2021年現在、総面積は14,530平方キロメートル(福島県よりやや大きい程度)、常住人口は約1,120万人で全国では13位である。GDPは約6,490億元(約13兆円、1元=20円換算)で中国の都市の中で40位である。鉄道により生まれた都市として、「鉄道利便性」は、全国24位である。

 同市は、北京から南西に約280キロメートルで首都北京に最も近い省都である。また、天津から西に約260キロメートルの位置にある。二つの中国を代表する都市に近接していることから、その恩恵を受ける一方、二大都市の光の影に隠れた側面も持つ。例えば、省都でありながら石家荘市には代表的な高等教育機関が乏しい。「世界トップクラス大学指数」では、同市は39位と中心都市のなかでは振るわない一方、同指標1位の北京と9位の天津に、多くの優秀な大学生が吸収されている。

 同市は、中国における穀物、野菜、肉、卵、果物の主要生産地の一つであり、国家認定の小麦生産基地として「北方の穀倉」とも呼ばれ、北京と天津の二大都市の胃袋を支えている。同市の「第一次産業GDP」は、全国24位と平均値を大きく上回っている。

 一方、河北省は、鉄鉱石の産地として、また唐山などの港から鉄鉱石の輸入可能な立地を生かし、近年、世界最大規模の鉄鋼産業集積を作り上げた。省都としての石家荘も、「中国都市鉄鋼業輻射力」では、全国22位という成績を収めている。そのため、国内有数の大気汚染都市ともなっている。大気汚染の状況を評価する「空気質指数(AQI)」では、ワースト4位という不名誉な順位で、中心都市の中で最も大気汚染が深刻な都市となった。

 河北省は、広大な平地を有し、歴史的に遊牧民族が元々いた農耕民族と混在して農耕活動を行なった地域である。ゆえに、人口密度が高く、省都としての石家荘も一千万人を超える巨大な人口を抱える。そのため同市の「一人当たりGDP」は全国144位にとどまっている。

 北京と天津という二大都市の近隣都市として、石家荘市が独自の存在感を出すことができるか。同市の行方は、京津冀メガロポリスの成長を占う上でも、注目のポイントである。


中国中心都市&都市圏発展指数

中国中心都市&都市圏発展指数2020
中国中心都市&都市圏発展指数2019
中国中心都市&都市圏発展指数2018
中国中心都市指数2017

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