大連:中国東北部の玄関口【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 大連市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第23位にランクインした。同市は2019年度より順位がいきなり5位も下降した。大項目でみると、「都市圏実力」、「輻射能力」、「広域中枢機能」、「開放交流」、「文化教育」といった経済・社会を代表する指標が軒並み順位を落としており、総じて総合順位が下降する結果となった。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 大連市は遼寧省に属する計画単列市・副省級市であり、中国東北地域を代表する港湾都市である。渤海湾と黄海に面した遼東半島に位置し、東は黄海、西は渤海、南は山東半島、北は東北平原と三方を海に囲まれた地形を有する。大連市の総面積は12,574平方キロメートル(新潟県と同程度)。2021年の常住人口は約745万人であり、遼寧省では省都の瀋陽市に次ぐ規模を誇る。2021年のGDPは前年比8.2%増の約7826億元(約15.7兆円、1元=20円換算)を達成した。

 大連市は、近代史の中で幾度も戦禍を被ってきた。第一次アヘン戦争、第二次アヘン戦争では、イギリス軍が大連周辺に侵攻し、日清・日露戦争では大連市は主戦場となった。

 大連港は世界的に有名な不凍港で、1万トン以上のバース (荷役を行う港湾施設)40基を含む70基以上のバースを有し、世界160以上の国・地域の300以上の港と貿易・輸送を行っている。まさしく中国東北地域の玄関口である。

 「中国中心都市&都市圏発展指数2020」における「広域中枢機能」の中項目「水路輸送」では、第9位という高順位に位置している。実際、コンテナ取扱量は中国国内で第9位、世界全体では第25位という成績を誇っている。詳しくは、下記の記事を参考にされたい(【ランキング】世界で最も港湾コンテナ取扱量が多い都市はどこか? 〜2020年中国都市コンテナ港利便性ランキング)。


中国中心都市&都市圏発展指数

中国中心都市&都市圏発展指数2020
中国中心都市&都市圏発展指数2019
中国中心都市&都市圏発展指数2018
中国中心都市指数2017

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