南寧:ASEANへのゲートウェイ中心都市 【中国中心都市&都市圏発展指数2020】第33位

 フフホト市は、中国中心都市&都市圏発展指数2020の総合第33位にランクインした。同市は2019年度より順位を2つ上げている。

 中国中心都市&都市圏発展指数は、中国都市総合発展指標の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 南寧市は、ベトナムと国境を接する広西チワン族自治区の省都である。現在、7区、4県、1県級市を管轄し、総面積は22,100平方キロメートル(岐阜県の面積の約2倍、北海道の約4分の1程度)である。南寧市は、悠久の歴史を持ち、チワン族を中心とした多民族が暮らす都市である。2021年現在、常住人口は約883万人で中国では35位である。第7回国勢調査(最新)のデータによると、市の人口は漢民族が48.6%を占め、少数民族の人口は51.5%、そのうち、チワン族は48.7%を占めている。

 南寧市は、トンキン湾の港湾都市である北海市に隣接し、ベトナムの首都ハノイと陸路でつながるなど、ASEAN諸国と地理的距離が近い。このためASEAN諸国との交流拠点として重要な役割を担っている。地域内総生産は約5,121億元(約10.2兆円、1元=20円換算)で、中国では51位である。

 同市は、亜熱帯モンスーン気候に属し、一年中緑に囲まれていることから「緑城」とも称される。年間平均気温は約21.6度で、冬の最も寒い1月の平均気温は12.8度、夏の最も暑い7月と8月の平均気温は28.2度である。「気候快適度」は中国で32位、中心都市36都市の中では、3位という恵まれた環境にある。緑と花が溢れるまちづくりが進められ、都市の緑化率は約40%に達している。年間平均降水量は1304.2mm、平均相対湿度は79%で、高温多湿の気候が特徴である。温暖な気候は多くの農作物に恵みをもたらし、水稲は二期作が可能である。小豆の原産地としても知られる。

 同市は、2000年以上の歴史を有している。古代南寧は百越国の領地であったが、秦代には桂林郡に属し、漢の郁林郡としての管轄を経て、東晋が今の南寧市に晋興県を置いたのが、今日の南寧市の始まりとされている。唐の時代に邕(よう)州が設置され、これが今日の南寧の簡称の起源となった。清代には、広西省に属している。

 市周辺には龍虎山や起鳳山など名所が多く、カルスト地形が造り出す山水画のような風景が観光客を楽しませている。同市の「国内観光客」は中国で11位、「国内観光客収入」は同18位である。

 同市の「空港利便性」は中国で30位(【ランキング】中国で最も空港利便性が高い都市はどこか?を参照)、南寧呉圩国際空港は、ASEAN諸国へのゲートウェイ空港として利用されている。「陸路運輸指数」も同26位で、空・陸の交通機能のポジションは高い。

 石炭、マンガン、アルミニウム、タングステンなど60種類以上の鉱物資源が産出され、水資源も豊富である。こうした天然資源を生かし、アルミ産業、化学産業、パルプ・製紙産業などが盛んである。

 南寧市は、中国華南地域の中心都市として「金融輻射力」は中国で23位、「高等教育輻射力」は同26位、「医療輻射力」は同19位と全国トップ30にランクインしている(【レポート】新型コロナパンデミック:なぜ大都市医療能力はこれほど脆弱に?を参照)。特に、医療リソースは豊富であり、「医者数」は同28位、「三甲病院(最高等級病院)」は同22位である。

 南寧市は、ASEANとの物流、貿易の拠点として、その存在感は年々増している。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)も締結された現在、南寧市のポジションは、より重要となってきている。


〈中国中心都市&都市圏発展指数〉:【36中心都市】北京、上海、深圳、広州、成都、天津、杭州、重慶、南京、西安、寧波、武漢、青島、鄭州、長沙、廈門、済南、合肥、福州、瀋陽、大連、昆明、長春、ハルビン、貴陽、南昌、石家荘、南寧、太原、海口、ウルムチ、蘭州、フフホト、ラサ、西寧、銀川

中国中心都市&都市圏発展指数2020
中国中心都市&都市圏発展指数2019
中国中心都市&都市圏発展指数2018
中国中心都市指数2017

フフホト: 農耕文化と遊牧文化が混じり合う草原の中心都市 【中国中心都市&都市圏発展指数2020】第46位

 フフホト市は、中国中心都市&都市圏発展指数2020の総合第46位にランクインした。同市は2019年度より順位を1つ上げている。

 中国中心都市&都市圏発展指数は、中国都市総合発展指標の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 フフホト市は、内モンゴル自治区の省都であり、中国北部地域における重要な中心都市である。フフホト市は自然環境が大変豊かであり、「国家森林都市」にも認定されている。総面積は、17,200平方キロメートル(岩手県と同程度)である。市郊外の北部に連なる陰山山脈には大草原が広がり、牧草地は9,549平方キロメートルにも及び、市面積の半分以上を占めている。大草原には、羊や馬が放牧され、モンゴル族のテント「パオ」が観光客の人気を呼んでいる。2021年現在、常住人口は約350万人で中国では145位、地域内総生産は約3,121億元(約6.2兆円、1元=20円換算)で、中国では99位である。

 同市は、典型的な大陸性気候で、四季の気候変化が顕著であり、年間の気温差も、日中の気温差も大きい。冬は長く、特に1月が最寒で、最低気温は-25~-45℃にも達する。降水量は少なく不均一である。

 フフホトは、2000年以上の歴史を有し、遊牧文明と農耕文明の交易拠点として栄えてきた。同市は、黄土高原と内モンゴル高原の間に位置し、農耕地域と牧畜地域との境界に立地している。市内の南部には農業風景、北部には草原風景が広がり、鮮明な対照をなしている。

 清朝時代は、「綏遠城」と呼ばれていた。1954年、内モンゴル自治区が成立し、フフホトという古来よりの名称が復活し、内モンゴル自治区の省都となった。現在、モンゴル族、漢族、満族、回族、朝鮮族など36民族が集まり住んでいる。

 民族の特色が豊かなフフホトは、観光都市としても名高い。壮大な自然の風景、色彩豊かな民族文化、歴史的なモニュメント、華麗なモンゴルの歌と踊り、モンゴル相撲などが観光客を楽しませている。古代には召城と呼ばれ、召廟(モンゴル族ラマ教の寺院)が多くあったことで知られている。現在、市内には大小50余りの寺院があり、南東部には絢爛豪華な「五重塔」、「硅竹寺」、「銀仏寺」、「北門モスク」、「光華寺」などがある。

 寺院だけでなく市内には、モンゴル族の象徴的な飾りを付けた建物や回族によるイスラム様式の建物が数多く残されている。現在では、歴史的地区の保護や修築によって都市景観の保存をめざした動きが始まっている。

 フフホトは「酪農の都」としても知られ、「伊利」と「蒙牛」という二大ブランドを有し、乳製品が一大産業として育てられている。

 周辺の豊かな石炭資源をベースに市内には多くの発電所が建設されている。発電量は全国24位、中心都市の中では9位を誇り、その電力は周辺都市へ送電されている。電力多消費のデータセンターなども多数誘致している。

 


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中国中心都市&都市圏発展指数2020
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蘭州:黄河沿いのシルクロード交易拠点都市 【中国中心都市&都市圏発展指数2020】第39位

 蘭州市は、中国中心都市&都市圏発展指数2020の総合第39位にランクインした。同市は2019年度より順位を2つ下げている。

 中国中心都市&都市圏発展指数は、中国都市総合発展指標の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 甘粛省の省都である蘭州市は、西北地域の中心都市、重要な産業拠点、広域交通ハブである。同市は、5つの区と3つの県を管轄し、総面積は13,100平方キロメートル(福島県と同程度)である。2021年現在、常住人口は約438万人で中国では114位、GDPは前年比6.1%増の約3,231億元(約6.5兆円、1元=20円換算)で、中国では95位である。

 同市は、黄河中流に位置し、青海チベット高原から黄土高原への移行地帯にあり、海抜は約1,520メートルである。大陸性気候に属し、年間平均気温は10.3℃、避暑地としても有名である。年間平均日照時間は2,374時間、無霜期は172日、年間平均降水量は約300ミリメートルである。

 「シルクロードの真珠」と呼ばれる蘭州市は、古くから交通の要衝として交易拠点であると同時に軍事拠点でもあった。紀元前2世紀に張騫が漢王朝の外交使節団として中央アジアの国々を訪問したことを契機に、ユーラシア大陸を横断し、東西を結ぶシルクロードが開かれた。黄河沿いの蘭州は、シルクロードの主要商業港として、中国と西域の経済文化交流の一大拠点になった。その足跡は、『西遊記』などにも残されている。

 同市内を流れる黄河のほとりには、蘭州水車などの観光スポットが立ち並ぶ。黄河にかかる中山鉄橋は1909年に建設された中国最初の鉄橋で、「黄河第一橋」と呼ばれている。

 古来より交通の要衝であった蘭州の、ハブとしての地位は現代も変わらない。陸路では、西北地域で最も密集した鉄道網を持ち、「一帯一路」をつなぐハブとなっている。「中国都市鉄道密度」は全国で24位、「中国都市鉄道利便性」は同34位である。空路では、蘭州中川国際空港は西北地域の重要なハブ港であり、第3期拡張プロジェクトが2023年中の完成に向けて建設が進行している。「中国都市航空運輸量」は全国で24位、「中国都市空港利便性」は同29位(【ランキング】中国で最も空港利便性が高い都市はどこか?〜2020年中国都市空港利便性ランキング)である。

 新中国建国後、蘭州は重要な産業基地に位置づけられ、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画、三銭建設の時代に産業基盤整備が行われた。蘭州周辺地域は石油資源埋蔵量が豊富であることから、中国の重要な石油化学基地となっている。「中国都市石油・石炭加工業輻射力」は全国で15位である。また、蘭州ハイテク産業開発区と蘭州経済技術開発区という国家レベルの開発区を有し、2012年には、西北地域における初の国家級新区である蘭州新区が承認された。

 蘭州大学を代表とする30の大学と1,200を超える各種科学研究機関に、国をリードする高度人材が多く集まっている。蘭州市の総合科学技術力は中国都市の上位にある。「中国都市高等教育輻射力」においては全国で20位と、西北地域では最も順位が高い。

 2,200年以上の歴史を有する同市には、万里の長城を含む多くの文化遺産がある。食文化でも「蘭州ラーメン」は世界に名高い。同市で発刊される『読者』は、中国で最も売れた雑誌として今も絶大な発信力を持っている。

 蘭州市は、「一帯一路」建設に即して新時代の交易拠点として発展を遂げることができるか、今後も要注目である。


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中国中心都市&都市圏発展指数2020
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ウルムチ:シルクロードの交易拠点都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】第37位

 ウルムチ市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第37位にランクインした。同市は2019年度より順位を3つ下げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 ウルムチ市は、新疆ウイグル自治区の省都で、中国北西部の重要な中心都市である。同市は、中国で最も海から遠い中心都市(海岸線から約2,500キロメートル)であるだけでなく、「世界で最も海から遠い都市」としてギネスにも記録されている。現在、同市は7つの区と1つの県を管轄し、総面積は13,800平方キロメートル(福島県と同程度)である。2021年現在、常住人口は約405万人で中国では125位にありながら、中央アジアでは大きな人口規模を誇る。GDPは前年比6.1%増の約3,692億元(約7.4兆円、1元=20円換算)で中国では77位である。

 同市は、天山山脈中部の北麓、ジュンガル盆地の南端に位置する。地形は起伏に富み、広大な山地が広がっている。山地が総面積の50%以上を占める山岳都市である。最高高度は天山山脈の普達峰の山頂で海抜5,445メートル、最低高度は海抜490.6メートルと、高低差が非常に大きい。

 同市は、大陸性乾燥気候に属している。最も暑い時期は7月と8月で、平均気温は25.7℃、最も寒い時期は1月で、平均気温は-15.2℃である。寒暖差が激しく、「気候快適度」は全国262位と低い。また、砂漠にも隣接しているため、砂嵐に悩まされ、大気質は非常に悪く、「空気質指数(AQI)」は全国273位である。中国の砂漠化や大気質について詳しくは、【コラム】黄砂襲来に草地を論ず 〜中国都市草地面積ランキング2019〜を参照されたい。

 ウルムチ市は、古代からシルクロード上の交易要所として栄え、多くの商人たちが訪れ、異文化が交差し、多様な文化が育まれてきた。市内には古い建造物や文化遺産が数多く残され、観光客にも人気が高い。市内では公共交通が整備され、「公共バス客数」では、全国1位の成績に輝いている。

 同市では、周辺の豊かな石油・天然ガスの油田に恵まれ、またパイプラインの整備などにより、石油・天然ガス関連産業は主要な産業となっている。石炭に関しても100億トン以上の埋蔵量を有し、「石炭の海に浮かぶ都市」とも呼ばれている。非鉄金属や希少な鉱物資源も豊富である。豊かな資源をベースに、鉄鋼産業も発展し、「中国都市鉄鋼産業輻射力2020」では、全国21位の成績を誇っている。

 同市は今も、中央アジア、西南アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝として、多くの幹線道路や鉄道が通っている。近年、中国政府が進める「一帯一路」政策で、ウルムチは交通と交易のハブとしても重視されている。「一帯一路」政策は、ユーラシア大陸を結ぶ新たな交通と交易のネットワークの構築を目的としており、ウルムチ市のより一層の発展が期待される。


中国中心都市&都市圏発展指数」:【36中心都市】北京、上海、深圳、広州、成都、天津、杭州、重慶、南京、西安、寧波、武漢、青島、鄭州、長沙、廈門、済南、合肥、福州、瀋陽、大連、昆明、長春、ハルビン、貴陽、南昌、石家荘、南寧、太原、海口、ウルムチ、蘭州、フフホト、ラサ、西寧、銀川

中国中心都市&都市圏発展指数2020
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海口:「気候快適度」が冴える中心都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 海口市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第35位にランクインした。同市は2019年度より順位を1つ上げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 海口市は、海南省の省都で、「ココナッツシティ」とも呼ばれる港湾都市である。同市は、北宋時代に開港して以来、千年の歴史を有している。海口は海南島の一部である本島と海淀島、新部島などの離島からなり、陸地面積は2,297平方キロメートル(沖縄県と同程度)。2021年現在、常住人口は約291万人で全国では174位である。GDPは前年比11.3%増の約2058億元(約41兆円、1元=20円換算)で中国の都市の中で150位である。

 海口市および海南島は熱帯に位置し、自然に恵まれた臨海都市である。年間平均気温は23.8度であり、冬も寒くない快適な気候である。「気候快適度」は全国6位と、中心都市では最も順位が高い。空気も良く、大気汚染の状況を評価する「空気質指数(AQI)」は全国7位という高順位に輝いている。

 全長131kmのゴールデンコーストは、ヤシ、マングローブ、クレーター火山などの珍しい自然景観や、美しいビーチが点在する観光ベルトである。しかしながら、同市の「海外旅行客」は全国で46位、「国内観光客」は同167位と、全国平均を下回っている。海南島の南部に位置する中国屈指のリゾート都市・三亜市に比べ、観光都市としての実績はかなり劣っている。

 その理由として、低密度な都市開発、不動産開発への過度な依存、自動車交通に偏る都市構造などが挙げられる。

 また、中心都市としての輻射力の脆弱さも否めない。同市は、海南省GDPの約3分の1を占めているにも関わらず、「輻射能力」大項目は全国で46位と中心都市ではワースト5位である。

 一方、同市の広域交通機能は高い。「コンテナ取扱量」は全国で20位、「空港利便性」は同13位と高い。こうした広域交通機能は、海南島という中国最大級の離島の繁栄を支えている。

 海口市は非常に魅力的なポテンシャルを有しており、アジアを代表するような都市へと成長できる可能性を秘めている。機会があれば、ぜひ足を運んでいただきたい都市である。


中国中心都市&都市圏発展指数

中国中心都市&都市圏発展指数2020
中国中心都市&都市圏発展指数2019
中国中心都市&都市圏発展指数2018
中国中心都市指数2017

石家荘:鉄道により生まれた大都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 石家荘市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第31位にランクインした。同市は2019年度より順位を1つ下げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 石家荘市は、20世紀初頭は人口僅か578人の小さな村であったが、1902年に京漢鉄道(北京-武漢)の開通に伴い、同地に駅が設置されたことから、都市としての歴史が始まった。その後、中国における鉄道輸送の「南北交通の要衝」として大発展を遂げてきた。いまや河北省の省都として、中国三大メガロポリス「京津冀(北京・天津・河北)メガロポリス」における重要な中心都市の一つとなっている。2021年現在、総面積は14,530平方キロメートル(福島県よりやや大きい程度)、常住人口は約1,120万人で全国では13位である。GDPは約6,490億元(約13兆円、1元=20円換算)で中国の都市の中で40位である。鉄道により生まれた都市として、「鉄道利便性」は、全国24位である。

 同市は、北京から南西に約280キロメートルで首都北京に最も近い省都である。また、天津から西に約260キロメートルの位置にある。二つの中国を代表する都市に近接していることから、その恩恵を受ける一方、二大都市の光の影に隠れた側面も持つ。例えば、省都でありながら石家荘市には代表的な高等教育機関が乏しい。「世界トップクラス大学指数」では、同市は39位と中心都市のなかでは振るわない一方、同指標1位の北京と9位の天津に、多くの優秀な大学生が吸収されている。

 同市は、中国における穀物、野菜、肉、卵、果物の主要生産地の一つであり、国家認定の小麦生産基地として「北方の穀倉」とも呼ばれ、北京と天津の二大都市の胃袋を支えている。同市の「第一次産業GDP」は、全国24位と平均値を大きく上回っている。

 一方、河北省は、鉄鉱石の産地として、また唐山などの港から鉄鉱石の輸入可能な立地を生かし、近年、世界最大規模の鉄鋼産業集積を作り上げた。省都としての石家荘も、「中国都市鉄鋼業輻射力」では、全国22位という成績を収めている。そのため、国内有数の大気汚染都市ともなっている。大気汚染の状況を評価する「空気質指数(AQI)」では、ワースト4位という不名誉な順位で、中心都市の中で最も大気汚染が深刻な都市となった。

 河北省は、広大な平地を有し、歴史的に遊牧民族が元々いた農耕民族と混在して農耕活動を行なった地域である。ゆえに、人口密度が高く、省都としての石家荘も一千万人を超える巨大な人口を抱える。そのため同市の「一人当たりGDP」は全国144位にとどまっている。

 北京と天津という二大都市の近隣都市として、石家荘市が独自の存在感を出すことができるか。同市の行方は、京津冀メガロポリスの成長を占う上でも、注目のポイントである。


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南昌:人民解放軍の発祥地【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 南昌市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第30位にランクインした。同市は2019年度より順位を1つ上げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 南昌市は、江西省の省都であり、同省の政治、経済、文化、科学、教育の中心地である。同市は、長江中流の中心都市の一つであり、2200年以上の歴史を有する中国を代表する歴史文化都市でもある。

 2021年現在、同市の総面積は7,195平方キロメートル(岡山県と同程度)、GDPは約6,656億元(約13.3兆円、1元=20円換算)で、中国の都市の中で40位となっている。2021年の常住人口は約644万人で全国では59位の位置につけている。

 同市には、中国磁器の産地として有名な景徳鎮市や、古来より長江下流の一大交易都市として栄えてきた九江市が隣接している。江西省のイメージは、その2都市のイメージが強いため、南昌市の存在感は影が薄くなってしまう。同市の特徴は、「特徴がないことが特徴」とも言えるだろう。

 さる事ながら、同市は、観光都市としても著名である。景勝地を多く有し、中国3大楼閣に数えられる「滕王閣」や、国内で最も大きい淡水湖である「鄱陽湖」などが著名である。同市は、「三川五湖」と呼ばれる水資源に恵まれ、市域の約3割は水域が占めており、豊富な水系に囲まれた景観が、多くの観光客を楽しませている。

 また、同市は1927年8月1日の「南昌蜂起」で、人民解放軍発祥の地としても名高い。近年、中国では中国共産党の革命史をたどる「レッドツーリズム(紅色旅游)」が盛んであり、同市は共産党に関する史跡が多く、これを目当てにした観光客も多い。こういった背景から、同市の「国内旅行客数」は全国18位という成績を稼ぎ出している。

 新中国建国後、省都としての南昌市には、高等教育機関が多く設けられてきた。本指標の大項目「文化教育」を構成する「高等教育指数」は全国19位であり、そのうち、「大学生数」は全国9位、「大学教員数」は全国12位である。国内トップクラスの大学は少ないものの、膨大な数の大学生が学んでいる。

 冷戦時代に毛沢東が提唱した「三線建設」によって、南昌市では数多くの工業関連のプロジェクトが行われた。その恩恵もあり、同市は、国内最初の航空産業発祥の地となり、また省内で最大の工業都市として自動車の製造を始めとする最先端の産業にも力を入れている。


中国中心都市&都市圏発展指数

中国中心都市&都市圏発展指数2020
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太原:資源都市となった古き交易都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 太原市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第34位にランクインした。同市は2019年度より順位を1つ下げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 太原市は、中国の重要なエネルギー・重工業基地である山西省の省都である。別名「晋陽」とも呼ばれ、九つの王朝の都として二千年以上の歴史を持つ国家歴史文化都市である。2021年現在、6区、3県、1県級市を管轄し、総面積は6,988平方キロメートル(高知県と同程度)、GDPは約5,122億元(約10.2兆円、1元=20円換算)で中国の都市の中で56位となっている。常住人口は約540万人で全国では80位である。

 同市は、北は万里の長城を挟んで内モンゴル自治区に、東は北京の西側に位置する河北省と、南は黄河を挟んで河南省と、西は北上した黄河を挟んで陝西省に接している。そのような立地から、同市は古来より、遊牧民族と農耕民族の交易都市として栄えてきた。

 山西省出身の商人たちは、「晋(山西の略称)商」と呼ばれ、中国で大いに活躍していた。晋商の拠点である太原市は、中国北部の重要な商業都市として発展してきた。晋商は、遊牧民族と農耕民族双方を支配下に置いた清王朝時代に最も栄えた。彼らは、手形をベースとした金融システムを確立し、全国に拠点を設けた。その勢力は、モスクワにも及んだ。その名残もあり、太原市の「中国都市金融輻射力」は全国20位と、いまなお高い金融の力を保持している。

 しかし新中国建国後、山西省は豊富な石炭資源をベースに経済のモノカルチャー化が進み、太原市は資源都市へと変貌していった。同市自身も現在、「中国都市石炭採掘業輻射力」は全国11位であり、中心都市の中では最も順位が高い。かつては商業・金融そして多彩な文化で輝いた同市は石炭経済に依存するようになった。「資源の呪い」の典型事例と言ってよいだろう。

 中国の電力は、およそ6割を石炭火力発電に依存する。その多くが山西省産の石炭を利用している。太原市内も石炭をベースにした産業が多く、その影響もあり、同市の「中国都市PM2.5指数」は全国ワースト13位、「中国都市二酸化炭素排出量」はワースト20位と、環境パフォーマンスは悪い。脱炭素の潮流を受け、カーボンニュートラルへと大きく舵を切った中国において、今後は石炭依存からの脱却が本格化していくことは間違いない。同市が如何にモノカルチャーから脱却し、新産業に根ざした都市へと転向できるか、要注目である。

 悠久の歴史から、市内には多くの歴史遺産が残されている。世界遺産の「平遥古城」をはじめ、晋寺、天龍山、双塔寺など多くの景勝地や文化財を抱えている。また、同市は日本でも愛好者が多い「刀削麺」の発祥地としても著名である。刀削麺は西安市の名物という印象が強いが、発祥は太原市である。こうした歴史文化遺産は同市の次なる発展のきっかけになるかもしれない。


中国中心都市&都市圏発展指数

中国中心都市&都市圏発展指数2020
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貴陽:ビックテックが群がる西南の中心都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 貴陽市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第29位にランクインした。同市は2019年度より2つ順位を下げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 貴州省の省都である貴陽市は、同省の政治、経済、文化、科学、教育の中心地であると同時に、中国南西部における交通の要衝である。同市は、名峰・貴山の南側に位置することから「貴陽」と名づけられた(古代中国では、山の北は「陰」、 南は「陽」と言う)。かつて、同市は竹が豊富に産出され、古代中国の五絃の楽器「筑」の産地として有名だったことから、略して「筑」とも称されている。また、緑が豊富で風光明媚な土地柄から「森の都」とも呼称され、中国初の「国家森林都市」にも指定されている。

 2021年現在、同市の総面積は8,034平方キロメートルを有し(兵庫県と同程度)、GDPは約4,312億元(約8.6兆円、1元=20円換算)で、中国の都市の中で52位となっている。2020年末の常住人口は約599万人に至り、全国では65位の位置につけている。一方、常住人口成長率は3.4%と、全国18位に位置し、近年、中心都市の中でも人口増が著しい都市である。

 同市は、亜熱帯モンスーン気候に属し、海抜約1100メートルの山間盆地に位置することから、1年を通じて気候は温暖、年間平均気温は15.3度である。夏の平均気温は23.2℃、最高気温は平均25~28℃、最も暑い7月下旬でも平均気温は23.7℃に過ぎず、最高気温が30℃を超える日数は少ない。避暑地として最高な気候を有することから、2006年政府から中国初の「避暑の都」に指定されている。

 同市は、気候の快適性もさる事ながら、観光都市としても著名である。市内の殆どをカルスト地形が占めることから、非常に豊富な観光資源も有している。「紅楓湖」、「開陽峡谷生態公園」など、山、川、峡谷、湖、洞窟、滝、原始林などを特色とした高原特有の雄大な自然景観が、次々と人々を感動に誘う。また、市内には名跡も多く、「陽明洞」、「青岩古鎮」、「息烽集中営旧址」、「甲秀楼」や「黔霊山」、「青岩古鎮」、「香紙溝」などはいずれも古代中国文化の趣を漂わせている。多彩な少数民族の風情も内外の観光客にとっては魅力的である。同市の「国内旅行客数」は全国4位とトップクラスの成績を稼ぎ出している。

 同市は、中国南西部における陸上交通の要衝として、本指標の大項目「広域中枢機能」は全国16位であり、そのうち、「航空輸送」は全国15位、「陸路輸送」は全国10位である。

 近年、貴陽市は、デジタル経済における最先端の都市として脚光を浴びている。現在、同市には、アップルやテンセントを始めとして、国内外のビッグテック企業のデータセンターが相次いで建設されている。

 貴陽市、ないしは貴州省は、中国の中でも山地が特に多い地域であり、地盤の安定性から地震が極めて少ない地域である。また、標高が高く、年間を通じて冷涼な気候なため、サーバー冷却コスト削減につながる。また、水資源が豊富なため、水力発電による電気代が安価である。このように、同市は、データセンターの設置に極めて適した環境を有する地理的優位性を備えている。

 2014年に貴陽と安順にまたがる貴安新区が国家級新区に指定され、2015年には、中国唯一の「ビッグデータ先導試験区」として認定されている。

 同市は、鉱物採掘と観光が中心的な産業であったが、ビッグデータ産業を主流とする発展にかじを切っている。今では、ビッグデータ都市の代名詞となるまでに成長を見せ、最新の「IT産業輻射力」は全国19位にまで躍進している。深圳のようなデジタルバレー都市としての発展を遂げるか、今後の貴陽市の動きは要注目である。


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ハルビン:中国最北の中心都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 ハルビン市は、「中国中心都市&都市圏発展指数2020」の総合第28位にランクインした。同市は2019年度より1つ順位を上げている。

 〈中国中心都市&都市圏発展指数〉は、〈中国都市総合発展指標〉の派生指数として、4大直轄市、22省都、5自治区首府、5計画単列市からなる36の中心都市の評価に特化したものである。同指数は、これら中心都市を、全国297の地級市以上の都市の中で評価し、10大項目と30の小項目、116組の指標からなる。包括的かつ詳細に、中国中心都市の高品質発展を総合評価するシステムである。

 黒龍江省の省都であるハルビン市は、中国東北地域の中核都市の1つであり、中国で最も北に位置する中心都市である。2021年現在、ハルビン市の総面積は5万3,100平方キロメートルを有し、北海道の面積の約6割強に相当する。GDPは約5,352億元(約10.7兆円、1元=20円換算)で、中国の都市の中で48位となっている。2021年末の常住人口は約989万人に至る一方、前年から人口が約13万人流出しており、2年連続で人口が減少している。

 ハルビン市は、北海道最北端の稚内市とほぼ同じ緯度に位置し、冬の気候は極めて厳しい。本指数の「気候快適度」でも、同市の順位は286位と、中心都市の中で最も順位が低い。ハルビンの気候は、夏と冬の寒暖差が非常に大きい典型的な大陸性気候である。冬は長く夏は短い。年平均降水量は569.1mmで、降水は主に6月から9月に集中し、年間降水量の60%は夏季の期間が占めている。冬季は非常に乾燥しており、降雪もほとんどない。そのため、ハルビンは氷の町と言われている。四季がはっきりしており、1月の平均気温は約-19℃、夏の7月の平均気温は約23℃である。過去最低気温は、-37.7℃(1985年1月26日)を記録した。

 ハルビン市は、その極寒さを活用し、1985年から氷の彫刻展「ハルビン氷祭り」を毎年1〜2月に開催している。その規模と華やかさから、今ではカナダのケベック、日本の札幌と並び、「世界三大雪まつり」のひとつに数えられている。

 黒龍江省の土壌は、有機物の含有量が多い、いわゆる「黒土」であり、農業に非常に適している。黒龍江省に広がる大平原は、「世界有数の肥沃な黒土地帯」と称される。そのためハルビンの第一次産業も非常に盛んである。〈中国都市総合発展指標〉の「農産業輻射力2020」では、ハルビン市は全国第4位であり、中心都市の中では最も順位が高い。 

 同市に属する県級都市・五常市は、中国米の最高級ブランド「五常大米」の産地である。五常大米の中でも、香り米の「稲花香」は、「2018中国第1回国際米フェスティバル」において、日本のコシヒカリと並んで金賞を受賞している。肥沃な土地、年間の大きな気温差、豊富な水という地理・気候条件を有するハルビンは、中国国内の中でも、水田耕作に非常に適した都市である。なお、「稲花香」は、日本をルーツに持つ品種である。中国から日本に伝わった稲作文化が、巡りに巡って中国に回帰し、新中国で最も著名なブランド米となっていることは、歴史の因果ともいえよう。

 ハルビンは高等教育機関も多く立地している。2021年現在、市内には総合大学が50校立地し、なかでもハルビン工業大学等が名高い。「中国中心都市&都市圏発展指数2020」大項目「文化教育」では17位だが、それを構成する「高等教育指数」は12位、「世界トップクラス大学指数」は10位となっている。また、大項目「輻射能力」を構成する「高等教育輻射力」は10位である。これらは東北地域で最も高い成績である。高等教育機関に支えられ、ハルビンは文化人排出度合いを示す「文化人排出指数」が15位、「優秀人材育成指数」は12位に入っている。

 さまざまな歴史と地理的条件により、ハルビンは中華文明と西洋文化が融合し、エキゾチックで美しい都市を形成している。同市は、中国の歴史文化都市、観光都市として有名である。特に、ロシアとの関係は深く、市内にはロシア文化の影響が色濃い。市内にはロシア建築様式の建造物が数多く残され、ロシア料理のレストランも数多い。

 新中国建国後、ハルビンは重化学工業の一大基地として発展してきたが、それにも当時のソ連からの援助が欠かせなかった。現在、同市の製造業は沿海部の都市に圧迫されている。しかし今後のロシア情勢の行方によっては、ロシアとの天然ガスパイプラインの中継基地である同市が、安いロシア産の天然ガスや石油をベースに中国東北地域発展の発火点となる可能性もあり得る。中国最北の中心都市が、ある意味、非常にホットな都市となっている。


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